広報誌同友にいがた
2024年12月号
新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 12月号 Vol.440
2024年12月号
新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 12月号 Vol.440
■表紙
暮らしに欠かせない電気を
守る使命とともに。
【株式会社テーオーテック 代表取締役】
星井 英也 氏 新潟支部サウス地区
■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.053
未来を創る! 新潟の企業家たち
社員とその家族の生活を
守っていく。
星井 英也さん 株式会社テーオーテック 代表取締役
◇支部・委員会・部会活動報告
それぞれのテーマを専門的に学び、問題を解決!
佐渡支部/村上支部/経営労働委員会/増強委員会
◇新入会員紹介
◇私とお話しませんか?会員交流の館 vol.17
◇ANOTHER REPORT
例会や行事の報告など、
情報共有の場としてフリーテーマで同友会の情報を発信します。
共育求人委員会主催
2024年度第2回新入社員研修開催レポート
- PEOPLE LIFE data
- 委員会・部会活動
- 新入会員紹介
- 会員交流の館
- ANOTHER REPORT
家業の系譜とこれまでの歩み
私は代々電気屋を営む星井家の待望の末っ子長男として生まれました。自営業のため家族旅行に行った記憶はなく、家の中でも両親は毎日会社の話で喧嘩が絶えませんでした。そんな中、小さい頃から跡取りせがれとして期待されていた私は次第に家業を継ぐ意志が芽生え、高校卒業後は電気工事士の資格取得を目指し東京の学校に進学。卒業後すぐに帰郷し自営業である巴電工に入社しました。数名程度の会社でしたので、現場の施工だけでなく会社のあらゆる業務に従事し、一通りのことを経験することができました。
しかし、入社から11年後の2002年、長らく続いていた経済不況の中、元請先の協力会社のうち、私ども巴電工を含む3社が合併することとなり、有限会社テーオーテックが設立。私はこれを機に父親から世代交代しテーオーテックの役員として就任することになりました。そして合併から4年後の2006年、テーオーテックの二代目として代表に就任、2017年には本社社屋移転と併せて株式会社テーオーテックへ商号変更しました。
試練から生まれた想い
社長就任から3年目の2009年、予期せぬ事態が待ち受けていました。現場において社員によるモラルを逸脱した行為があり、お客様に多大なご迷惑をお掛けしたことによって、売上の大半を占める元請先から約1ヶ月の発注停止処分を科せられました。私はこの時はじめて社長の責任の重大さを痛感するとともに、社員とその家族の生活が脳裏をよぎり、「この先どうなることか」と不安で押し潰される思いでした。一切仕事ができなくなったこの期間、企業倫理の研修からはじまり、乱雑になっていた会社構内の環境整備、風紀やモラルの改善に奔走。今思えば、このことがなければ、今でも旧態依然としたダメな会社のままだったのでは…と思います。
この出来事から、私は「社員とその家族を守る」ことを使命とし、社員の力で成り立っていることを念頭に、地域の暮らしに重要な電気インフラを通して社員とともに社会の発展により一層貢献していこうと強く思いました。
同友会の入会と学び
2022年の冬に雪の重みで資材倉庫が倒壊。建て替え工事の際に紹介いただいた会社が燕支部のR-CRAFTの塚原社長で、建て替え完了後に塚原社長と有希化学の本間社長から同友会入会のお誘いをいただきました。
当時、社内でハラスメント行為が発生し、社員の家族をも含む双方の対応に疲労困憊。私自身が会社に行きたくないと思うほどの状態が続いていました。自分自身を変えなければいけないと思っていた中、塚原社長と本間社長の熱心さに引き込まれ、また「経営指針成文化と実践の会」の10年ビジョンに興味が湧き、入会を決断しました。
同友会会員の皆さんはとにかく経営に対する考え方が熱い方が多く、同業者同士では話しづらいことも心を開き話すことでアドバイスをいただけ、自分自身を高めていくことにつながっています。また、私は社長に就任してから、経営については本を読みあさる以外、他に学ぶ機会もなかったため、経営指針成文化と実践の会を受講したことは大変有意義なことでした。それまでは自分自身の考えも明確にないまま経営し、社員の人生の時間を無駄にしていたと思います。受講したことで自社の価値や社会での役割が明確になりました。それと同時に、社員に対しても、我々が毎日やっていることは単なる作業ではなく、暮らしに欠かせない大切な電気をお届けするという、価値ある使命があることを私自身の言葉で伝え、社員とのコミュニケーションを深め合いながら、仕事に誇りを持てる企業文化をつくっていきたいと思っています。
株式会社テーオーテック
代表取締役 : 星井 英也 氏(新潟支部サウス地区)
事業内容 : 電力配電設備建設・保安・一般電気工事
住所 : 新潟市江南区両川2丁目4500-4
TEL : 025-290-1816
創業 : 2002年
従業員数 : 34名
去る10月4日に広島同友会の株式会社EVENTOS川中代表より「人生を過ごす価値がある場所」と題してご報告いただきました。川中さんは広島でイベント会社を創業された後、ケータリング、ウェディングなど事業の幅を拡げていかれました。また、地域活性化事業として、地元の野菜やこだわりの食品を集めて販売する「Oishi吉山」を立ち上げ、過疎地に行列ができるレストランとして話題を呼びました。その経験が、島根県江津市の有福温泉再生事業に参画することに繋がり、「地域丸ごとホテル事業」にも取り組んでおられます。
心に響いた言葉は「幸せを目指すところに人は集まる/人がやめる理由は会社に未来と希望が描けないから/経営理念と個人理念が繋がると天職になる」でした。さらに、10年ビジョンというのは、どんなことがあってもこれを手に入れたいというものである。『本当の出来立てを届ける!半径100kmパーティーの宅配事業』を目指し日々邁進中とのことでした。
グループ討論では、自分たちの地域の未来をどう考えているかというテーマで、活発な意見が飛び交いました。この後、参加者を募り今度は私たちが広島に赴き、川中さんの取り組みを実際に見に行く予定です。どうぞご期待ください!!
佐渡支部長 柴原 健司(セイデンテクノ㈱ 取締役社長 佐渡支部) 記
現在、村上支部では平成28年に制定された村上市中小企業振興基本条例の活用に向けた取り組みを行っています。
《昨年度(令和5年度)》
6月2日 「中小企業憲章・条例活用推進シンポジウム」視聴・意見交換の会
12月20日 ふるさと“キャリア”ディスカッション
《今年度(令和6年度)》
6月5日 「中小企業憲章・条例活用推進シンポジウム」視聴・意見交換の会
9月3日 中小企業振興基本条例 先進事例報告~中小企業が元気に活躍するまち田川~
今後、福岡県田川市の事例を踏まえて村上市が市内全事業者からのアンケートによる現状調査を行うことを検討しています。行政、教育機関、金融機関と共により良い事業環境、そして地域の魅力アップを目指した活動を推進していきます。
また、11月20日に行われる中小企業経営フォーラムinにいがたでは村上支部が第3分科会の設営を担当しました。昨今の事業環境が大きく変化している中、覚悟をもって「新市場、新分野、新事業」に挑戦した3名のパネラーがその選択に至る背景や経過、そして変化を語る分科会となりました。参加者の挑戦や変革を後押しするきっかけとなる分科会にすることができたと思います。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
村上支部長 加藤 善典(㈱加藤組 代表取締役) 記
10月23日、第8期経営指針成文化と実践の会第2講を開催しました。今期は18名の受講生を迎え、6つの地域別会場で開催しています。受講生は、直面する経営課題に悩まれている方、会社の課題が掴みきれていない方、会社の方向性に悩まれている方など、経営者としての多種多様の悩みに対して、各講の課題を通して真剣に取り組んでいます。私も、サポーターとして参加していますが、毎講、受講生や周りのサポーターに学ぶことが多く、関わらせていただいていることに感謝いたします。
関わる中で、この経営指針成文化と実践の会の課題の先には、常に人がいるということに気付くことができました。戦後、労働争議が多発する日本の中で、先輩経営者の方々が必死になって、「会社を良くしたい。社会を良くしたい。」そんな想いで、働いてくれている方々と真正面から向き合って共に生きるために考えた、関わる人の幸せを考え抜いた結果としての経営指針成文化運動。そして、この経営指針成文化のプログラムを考えた方は、経営者こそ関わる方のメンターであれという想いで創られたんだと思います(自論ですが)。私は毎講、経営者としての生き方を学ばせていただいています。毎回、私もまだまだだなと反省しているようなサポーターですが、今期は心の内から滲み出る様な経営理念が生まれるよう、残り4講をサポートしていきたいと思っています。
最後に、多くのサポーターに参加頂いたからこそ、今期が運営出来ていることに、心から感謝いたします。
経営労働委員会副委員長 村田泰洋(㈲伊藤自動車整備工場 代表取締役) 記
柴澤コーディネーターが台本なしでパネリストへ直球勝負!パネリストの皆さんも赤裸々に応えて3人の経営者としての考えや今までの歩みを語ってくれました。普段から仲の良い4人が数回にわたる打ち合わせを重ね、懇親会でも熱い意見交換!当日はどんな感じになるのか楽しみでワクワクしていました。
事業内容や歩みは違う皆さんですが、どこか共通する部分があったり独自の考えや思いを持ち経営者として先頭に立っている事を感じました。『愛』を持って!期待以上に内容の濃いディスカッションの一部をご紹介します。
Q.経営者として大切にしている事は?
・自分自身にウソをつかない経営
・自分の言葉に責任を持つ
・言っている事とやっている事が合致する
・社員が夢を描けるようにする
グループ討論ではそれぞれが目指すいい会社・いい経営者について討論。私のグループでは『覚悟』についてそれぞれの体験談や考えを語り合いました。
同友会活動に1回、2回、3回と参加していく事で自分自身の考えや思いの答え合わせ、違いに気づきをもらえて経営者としてのレベルアップしていくのかな?筋トレも1回、2回では身になりませんが、それと同じように同友会活動も複数回と参加を重ねる中で経営者としてのレベルが上がりまた違う悩みや壁にあたり、この繰り返しが身になり自信になり『覚悟』へ変わるのかな?と帰りの車で考えました。
会員の皆様、第7回、第8回と開催されますので、スケジュール調整して参加してみてはいかがでしょうか?
沼田:振り返ると中学校の頃からの友達で、会うことも多いんだけど、紹介もかねて取材に来ました(笑)。
吉田:(沼田さんが)独立してからは会う機会も特に増えたよね。よろしくお願いします(笑)。
沼田:改めて、色々聞いていきたいと思いますが、大岩時計店さんへ入社のきっかけは?
吉田:私の妻が現会長の長女で、妻の兄が代表を務めています。婿に入ったわけではありませんが、結婚当時の仕事が将来的に安定しているのか、と考えていたのと、妻が家庭に入ると、家族経営の大岩時計店は人手が足りなくなるのでは、というところで入社しました。宝飾品や時計もありますが、中心は眼鏡の販売を行っています。実は、視力に合わせた眼鏡を提供することはすごく難しく、私も習得まで10年くらいかかりました。それに加え、身体やライフスタイルに合ったものでないと、体調を崩す原因にもなってしまいます。難しい仕事ですが、そこにやりがいを感じています。
沼田:役職は取締役ですが、会社の中ではどういう立場ですか?
吉田:私はこの本店を任せてもらっています。新潟市にも店舗があって、代表は主にそこを担当しています。非常に技術力がある職人で、ずっとずっと高い目標です。経営的な判断もある程度させてもらっていて、会長・代表と役割を分担しながら経営に関わっています。
沼田:最初のうちは大変でした?
吉田:入社してすぐは技術もそうですが、お金の流れがわからなかったり、役割の分担とかに苦労しました。家族経営の良さも悪さもある中で、会長が今後に向けた「企業化」を意識してくれていることもあり、色々なことをさせてもらっています。店内のことだけでなく、団体に所属したり、商店街の活性化に取り組めたり。
沼田:他の団体に参加していると聞いて、じゃあ同友会も経験してみたら?とお誘いして、入会してもらいました。実際どうですか?
吉田:実は、10年位前にもお誘いしてもらったことがあって、その時は自分の仕事にいっぱいいっぱいだったこともあって入会はしませんでした。久しぶりに例会に参加して感じたことは、雰囲気が変わったように思います。私の感じ方の問題かもしれませんが。あと、グループ討論では自分より若い人たちがあんなに腹を割って話していて、すごいなと。せっかく時間を使って参加しているので、いろんなことを持ち帰りたいなと思っています。
沼田:商店街の活性化という話がありましたけど、地域愛が強めですよね?
吉田:全然そんなことなくて、かなり打算的です。商店街に会社を構えさせていただいているからには貢献もしたいし、何よりここにたくさんの人に来てもらうことが利益にもつながります。今あるお店のシャッターを下ろさせない。しっかりと経営をしていけば、そこに人が集まって、魅力が増せば新しいお店も増えます。活性化を続けることで、商売が成り立つ地域にしていきたいんです。新幹線が止まって、高速道路のインターも近い。こんなにいい立地なのに、正直「今のままじゃダメだろ」と思うところがたくさんあります。だから、やるしかないんです(笑)。なので、同友会の会員さんで新店舗を出したいと思っている方、ぜひ燕市の燕商店街をご検討ください。相談待ってます。
沼田:一周回って愛が強いんだね(笑)。
(株)大進
代表取締役 沼田 英次(燕支部)
10月25日に共育求人委員会主催、新入社員フォローアップ研修「仕事と人生の未来設計ワークショップ」が開催されました。
楽しく人生設計を学べるライフサイクルゲームを行った後、ワークシートを用いて10年後のなりたい自分とそこに至るまでの過程を
具体化することにチャレンジ。生き生きとした表情で将来を語る新入社員の皆さんの姿が印象的な研修となりました。
参加された3名の方のコメントを紹介します。
木村建設㈱ 山浦 涼介 氏(新入社員)
ライフサイクルゲームに参加し、10年ビジョンを考えさせていただきました。この先、大工になりたいとは思っていましたが、その為にはどのような意識で仕事に取り組むか、正直考えたこともなかったです。
プライベートも同様、結婚や子供の有無、この先の生き方などは今までなんとなくでしか考えてきませんでした。今回10年ビジョンについてグループワークを行い、経営者の方々や新入社員の皆さんに共有し、今までになかった新しい気づきがありました。
今後は今回学んだことや気づいたことを活かして、さらに貪欲になっていきます!これからの人生楽しみでしかないです!
㈲MRオート 取締役専務 前山 渉 氏
新入社員の皆さんとライフサイクルゲームに参加し、自身の10年ビジョンを考えさせていただきました。
10代・20代の若手の方には、今後の人生でどんなことが起こるか?家を建てたいか?結婚・子供のことなど様々な思いに触れる機会になったと思います。自身のキャリアアップを通じて10年後はどんな仕事をしてどんな生活をしているか?を2部構成で考える内容で、参加した上司・経営者の方々にも気づきがあったと思います。入社から早い段階で自身の未来を考えてもらい、それを実現するべく会社も協力・フォローをすることが必要ですね。
新入社員の皆さん、研修大変お疲れさまでした!良き未来に向かって走り出しましょう!
㈱インプレッシヴ 代表取締役社長 佐藤 潤一 氏(共育求人委員長)
新入社員フォローアップ研修が開催され、新入社員7名と経営者・上司5名にご参加いただきました。
テーマは「仕事と人生の未来を考えよう」です。あるキャリア形成の理論によれば、「成功者の約8割が偶然の出来事でキャリアの転機を迎えた」という調査結果が示されています。キャリアには偶然が影響を与えるとしても、偶然をチャンスに変えるには、自分の興味や強み、やりがいなどを常に意識しておくことが大切です。
今回の研修では、そうした「考えるきっかけ」を提供することを目的としました。参加者からは「10年後を想像するのは難しい」「今まで将来について考えたことがなかった」といった声が上がり、研修が将来を見つめる良い契機となったようです。
参加された皆さまには、これからも自己成長を続けていただけることを期待しています。