新潟県中小企業家同友会
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2022年10月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 10月号 Vol.416

2022年10月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 10月号 Vol.416

■表紙
企業と人、人はなぜ働くのか
【株式会社創明工芸 代表取締役社長】
澁木恒利 氏 燕支部

■Contents

◇PEOPLE LIFE data No.029
未来を創る! 新潟の企業家たち

幸せになる仕事
「なぜ働くのか」
澁木恒利さん
株式会社創明工芸 代表取締役社長

◇企業進化論 Vol.92
歴史に隠れたストーリーを訪問インタビュー

株式会社小竹食品

◇今月のイチオシ
企業の商品やサービスなどをピックアップ!

燕支部 切り文字屋オッケイ(株)さんが、“焼き芋屋ぴーす”をオープン!!

◇ANOTHER REPORT
例会や行事の報告など、情報共有の場としてフリーテーマで同友会の情報を発信します。

障がい福祉研究部会オープンセミナー開催レポート

◇INFORMATION
【新潟同友会 600名会員を目指して】
~新潟同友会2030ビジョン
NDGs(Niigata Doyukai Goals)を広めましょう~

新入会員紹介

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開発部門からスタートした創明工芸

株式会社創明工芸は、父の経営する恒成株式会社の開発部としてスタートしました。ステンレスのスクラップ、材料問屋をしていた中で、父の趣味でもあったモノづくりがしたいと1985年に開発部を立ち上げ、ホテルなどで使用するステンレスワゴンや車止めなどの加工を始めました。1995年に小池団地に開発部工場が新築され、2003年に独立し、別法人として2004年に(株)創明工芸を設立しました。その後、2010年に一度燕市吉田法花堂に移転し、2020年に業務拡張のため現在の住所へ移転を行います。
私の父は、会社でも家庭でも超仕事人間で、家庭での会話はほとんどありませんでした。小さなころから父の考えが絶対で他の価値感は認められず、自分自身の存在に悩む日々でした。就職も父の会社に入社することになり、しばらくすると新設された開発部を任されました。
当時の開発部は赤字部門で、本社会議でも厳しい評価を受けていました。その中でコンサルから提案のあった「どうせ赤字部門、別会社として立ち上げて切り捨てて、つぶしてしまえばいい」という言葉から、背水の陣で挑むことになります。その数年後に実際に独立することとなり、私は経営者になりました。

 

 

企業と人、人はなぜ働くのか

設立後、タイミングが良く仕事がまとまり、売り上げは向上。自己資本比率も70%を超え、企業としては順調な滑り出しでした。しかし、好調も長くは続かず、会社を取り巻くゴタゴタがあり状況は急転。2010年に吉田に社屋を移転し、売り上げは半減、社員数も半分になります。さらに移転した1カ月後には右腕として一生懸命ついてきてくれていた社員が突然の病で急逝してしまいました。彼の死は本当にこたえました。また、社内では毎日のようにトラブルが起き、社員も私も消耗していきました。そんなとき、「社員と会社の目的がずれていたらうまくいくわけがない、“なぜ働くのか”、人はみな一番大切なもののために働いている。それは自分自身と自分より大切な存在、家族のためだ」と気づきました。そして、「社員と社員の家族を大切に」という経営指針を掲げました。「能力重視」ではなく「人間性重視」の採用活動にシフトチェンジします。社員が主体的に仕事ができるよう、改善提案制度を採用、社内環境の整備に力を入れています。
2022年1月に、経営指針を「世の中を優しく豊かに面白く」と一新。自分たち(社員が)幸せになるために働く。だからこそお客様も幸せに、取引先を、地域を、世の中を優しく豊かにすること、そして面白くすることが、みんなの幸せに繋がると考えています。

 

事業承継と自社ブランド

私は、今まで何度もターニングポイントを迎え、その度に誰かに助けられてきました。本当に自分は恵まれていると思います。そんな私も現在60歳。事業承継を考えなければと悩んできました。そんな中で、2年前に長男が入社をしてくれました。自分のやりたい仕事を、自由に生きて行ってほしいと考えていましたが、ありがたいことに本人から「創明工芸に入りたい」と言ってくれました。承継を進めて行く中で、まずは今自分にできること、自社の地力を高めていきたいと考えています。自社の技術を生かした「普通には洗えないものを洗う“手洗い機はごろも”」の開発・販売を始め、自社のステンレス加工の技術を生かした独自商品を開発中です。
一番は、自社の「社員を大切に」というスタンスが、ずっと残り続けていくこと。会社を残し、社員を大切にし続ける企業を今後も目指していきます。
 

 

株式会社創明工芸

代表取締役 : 澁木恒利 氏(燕支部)
事業内容 : ステンレス製品製造
住所 : 燕市小池4803番地3
設立 : 2004年9月24日
従業員数 : 9名
TEL:0256‐64‐8611
HP:http://www.soumei-arts.com/

 

 

創業から76年、法人化から50年の小竹食品の歴史

株式会社小竹食品は、1946年に代表取締役の小竹隆の父、小竹嘉助が創業しました。終戦を境に、それまでしていた仕事から離れ、食品の卸問屋として商品を届ける仕事を始めました。1973年に法人化を行い、柏崎市を中心に三条や上越まで商品を届けに行くこともありました。
2003年には取締役の小竹佳代子が中心となり、当時としては珍しかった自社サイトでのネットショップ事業を立ち上げました。大手スーパーや大型ショッピングモールの地方出店等により地域の食品販売店はどんどんと数を減らし、それに伴って卸部門の売り上げも減少していたということが背景にはあり、業界の先細りを感じた中でのターニングポイントでした。その2003年にTV番組で新潟の笹団子が紹介され、ネットショップへの連絡が急増したことが、弊社のネットショップ部門の展開に繋がりました。
2007年、中越沖地震の発生から復興支援サイト「がんば716ショップ」への参加等、ネット販売を展開していたことが功を奏し、飛躍的に販売実績を上げることができました。2013年に発表されたeコマース革命を機にYaHoo! ショッピングへ出店し、その後amazonや楽天市場など少しずつ展開を行っています。
私が入社したのは、2022年。ECショップ等の仕事にずっと興味を持っていた私は、それまでアパレルのECショップに勤めていました。仕事上関わりのあった小竹取締役とは話す機会が多く、会社の話・後継者不在の状況・ECサイトの展開等、様々な話をしました。その業務内容に「自分のやりたい分野はこれだ!」と強く感じ、退職をきっかけに小竹食品に入社しました。

 

 

特需と継続的な販売、新たな柱

近年、特にコロナの影響から巣ごもり商品の需要が上がったことでネットショップ部門は非常に好調となりました。しかし、全国的な需要から販売企業も激増。大手スーパーや商社の参入により価格競争は激化し、売れ筋商品は数円値引きした同じ商品が後から出品掲載される等、難しい対応を迫られています。「小竹食品だからできること」を増やしていくために、旬な商品や、話題の商品(甘酒ブーム等の特需)の情報をいち早く察知し、アンテナを張り続けていきます。現在は防災食料品事業も始め、法人のお客様向けの長期保存食品のご提案もしています。
また、現在プライベートブランドの開発に注力しており、新しい柱となる地元柏崎や、新潟の材料を生かした「新しい柱」となる商品を準備しています。こちらについては今はまだお話しできませんが、公表が可能になれば、ぜひ皆様に知っていただければと思います。

 

 

これからの小竹食品

私は、小竹食品の仕事に強く惹かれ入社しました。私を後継者として迎え入れてくれ、信頼してくれている代表取締役と取締役にはとても感謝しています。徐々に承継をしながら、小竹食品が残り続ける企業として、1946年の創業から繋いできた歴史を生かしていきたいと考えています。
 

 

 
9月24日に、焼きいも屋ぴーすをオープンしました。お店のロゴは、三条支部エムズグラフィックの樋口由賀利さんから作って頂きました。当日は、シール施工したコネルキッチンさんのキッチンカーが来たり、地元燕市でハトの放鳥事業を始める方の協力を得て白いハトを50羽も飛ばしたり、縁日コーナー、ヤギの餌やりなどで凄く盛り上がりました。
切り文字屋オッケイ(株)は、看板・シールのインターネット販売の会社ですが、今回から実店舗の販売業務にチャレンジします。販売商品は、自社で育て熟成させたベニハルカを中心に、数種類の焼き芋を食べ比べられるようにして行きたいと思っています。採れたてのサツマイモは、甘みが少ないので、時間をかけて熟成させる事で、デンプンが糖に変化して、段々と甘くしっとりしてきます。6次産業の強みを生かして、美味しい焼き芋を提供して行きたいです。
今後モンゴルのゲルを組み立てるので、おいしい焼き芋を提供するだけではなく、また訪れたくなる店作りをして行きますので、何度か訪れて変化を楽しんで下さい。
 


 

【切り文字屋オッケイ株式会社】
住所 : 燕市新堀2294‐3
TEL : 0256-97-5072
HP : mojiok.com
代表取締役社長 : 沖野 恵子 氏(燕支部)
事業内容 : カッティングシート、プリントシール、展示会クロスシート、
アクリル板、化粧ビス等の加工販売
 
【焼きいも屋ぴーす】
TEL : 0256-77-5035
HP : yakiimoya.shop

 

 
激動の時代真っ只中のいま、どんな気持ちで経営をしていますか?市場や情勢、外部環境のせいにしようと思えばいくらでもできるこんな時代にこそ、未来を見据え、挑戦できる経営者が求められている。そんな気がしてなりません。われわれ中小企業家同友会は、そんな経営者が集まった団体です。逆風の時代でも力強く道を切り拓いていくことができる企業が集まった団体です。そんな、他団体にはない特色をもった同友会の存在と、われわれの想いが詰まったビジョン【NDGs】を、会員内外に拡げていきましょう!!きっと、今以上に同友会に共感する仲間が増えるはず!!そしてこのビジョンの体現者が増えるほど、このNiigataはもっと輝いた地域になる!その為に、NDGsカードを制作しました。この広報誌に2枚のカードが同封してあります。1枚はご自身用で、もう1枚はこれを共感してほしいと頭に浮かんだ人に渡してください。このカードは10,000枚作製して、事務局が管理しています。各支部例会や幹事会、様々な行事で、ゲストや新入会員に配ってください。ビジョンを広めて、仲間の輪を拡げていきましょう!!ぜひ皆さん!!このカードをガンガン活用してください!!
 
2022年度仲間づくり増強リーダー:有希化学株式会社 本間英樹

 


 

9月1日に開催された障がい福祉研究部会のオープンセミナー
「企業と福祉のパートナーシップ~企業と障がい福祉事業所の相互理解から生まれる共栄のビジネスモデルとは?~」が開催されました。
今号では活動報告として、障がい福祉研究部会長の内山さんと、本セミナー設営リーダーの久保田さんからの文章をご紹介します!

 

社労事務所 コモンズ 代表
障がい福祉研究部会 部会長
株式会社コモンズ 代表取締役 内山 雅視 氏
(新潟支部サウス地区)

私ども障がい福祉研究部会では、中小企業経営者として、障がい者の方をはじめとする多様な人材の雇用機会・就労機会を創出し、それぞれの個性を尊重し活躍する場を設け、「人を生かす経営」が実践されることを目指して活動を行っています。
オープンセミナーでは、有希化学株式会社さんと新潟市中央福祉会さんより、「中小企業から福祉事業所への業務委託」について、独自に実践された内容を報告していただきました。
有希化学さんには、何千本という消費者向けの洗浄剤のボトルにラベルシールを貼る業務があります。障がい福祉の分野で社会貢献したいという想いとともに、自社でラベル貼りを行うと社員が残業してまで作業しなければならない、中小企業では専用の機械設備を導入するには負担が大きい、といった課題がありました。
これに対し、新潟市中央福祉会さんは、様々な種類の作業を請け負って利用者の特性にあった作業を選べるようにしたい、利用者の工賃を上げていきたい、といった課題がありました。
報告では、企業の求めに対し、福祉が委託業務の工程を細分化(ラベルの切断、ラベル貼り、検品など)し、利用者それぞれの特性にあった工程を担当してもらうことでこれに応え、継続的な取引につながったことが紹介されました。

 

 
今回の報告で示された「中小企業が福祉事業所に業務を委託する」という中小企業の障がい福祉への関わり方について、福祉事業所見学、企業と福祉のマッチング相談会など具体的な取り組みを進めて参りますので、皆さまご期待ください!
 


 
 
障がい福祉研究部会 副部会長
福祉事業型専攻科KINGOカレッジ
学園長 久保田健 氏(新潟支部ウェスト地区)

企業、福祉にはそれぞれが大切にする目的があり、それらは決して同一ではありません。
しかし、今回の報告では、その違いを尊重し合い、協調する方法を追究することで、双方の利益を最大化できる可能性が示されました。
このセミナーの開催で終わらせず、「現場見学」や「企業と福祉のマッチングシステムづくり」の企画等、次の取組がすぐに具体化するところが同友会らしいところ。
社会全体の利益につながる取組へと発展しそうです。

私たちとともに、地域の課題解決に取り組んでいきませんか?障がい福祉研究部会では、ともに活動する仲間を募集しています!
 

 

     

入会案内・お問い合わせ

中小企業の経営者及びこれに準ずる方で、会の趣旨に賛同される方は、どなたでもご入会いただけます。
また、会員企業の社員の方や会員でない方も参加できる行事があります。

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