広報誌同友にいがた
2023年1月号
新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 1月号 Vol.419
2023年1月号
新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 1月号 Vol.419
■表紙
みんなで作り上げる、
そんな撮影をしていきたい。
【しゃしんや】
小林 淳 氏 上越支部
■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.032
未来を創る! 新潟の企業家たち
感嘆詞がこぼれる写真に仕上げる。
それがプロカメラマンの仕事です。
小林 淳さん
しゃしんや
◇企業進化論 Vol.94
歴史に隠れたストーリーを訪問インタビュー
有限会社MRオート
◇ANOTHER REPORT
例会や行事の報告など、情報共有の場としてフリーテーマで同友会の情報を発信します。
新潟同友会創立40周年記念 中小企業経営フォーラムWEEK2022 開催レポート
◇INFORMATION
謹賀新年 代表理事挨拶
新入会員紹介
- PEOPLE LIFE data
- 企業進化論
- 今月のイチオシ
- INFORMATION
- ANOTHER REPORT
カメラマンになったきっかけを教えてください。
私は上越市柿崎区(旧柿崎市)で生まれ、高校は工業系の機械科へ進学しました。その後、新潟県内の大学進学が決まっていたのですが、友人の誘いに乗って新しく新設される東京の専門学校(アニメ・CG系)を進むことになります。元々ゲーム系・プログラム系が好きで工業高校へ進学したので、その分野に興味があったんだと思います。
カメラとの出会いはいつですか?
専門学校に通いながら街の写真屋さんでバイトをしたのが始まりです。ただし、写真を撮る訳ではなく、現像したり、プリントしたりといったごくごく一般的な作業をこなすバイトでした。
まだカメラマンとして独り立ちするイメージはなかったんですか?
専門学校を卒業した21歳で、日本でもTOP5に入るような有名なカメラマンが在籍する事務所に就職することができましたが、写真屋さんでのバイト期間中はカメラで撮影する機会なんてほとんどなかったので、いわゆる「アシスタント」というよりも「コマ使い」程度のスタッフとして雇われた感じです。
仕事は出版社の仕事が多く、雑誌に掲載するバッグやアクセサリーなどの小物類が中心でした。いわゆる「物撮り」という分野ですね。
いつからカメラマンを目指すようになるんですか?
長く務めると、機器の名称、用語、照明の技術なども理解するようになって来たので、自然と「カメラマン」としての活動が始まります。経験を積むと撮影の準備を任されるようになるので、先輩の動きを見ながら隙間をみてはテスト撮影用のポラロイド写真の裏面にメモしながら、技術を身に付けていった感じですね。
なぜ新潟に戻ったんですか?
3人兄弟の末っ子なんですが、二人の兄がそれぞれ関東に仕事を持ち、家を建てたりしていたので、必然的に三男坊が実家の面倒を見るって感じの、よくあるケースですね。それと同僚のカメラマンが独立するというタイミングが重なったので、東京と新潟を行き来しながら元同僚の仕事を手伝いつつ、新潟でも独立できるように仕事を探すという日々を1年くらい続けたら、自然と活動の拠点が新潟(上越)中心に変わって行きました。
十分独り立ちできるようになったんですね?
新潟では「物撮り」といった撮影の仕事は少ないので、ウェディングや成人式や七五三、建築やスポーツでも何でも撮影しなければ商売になりませんでした。結果的にあらゆる撮影を経験する事ができたので、東京にいる時より技術はあがったと思います(笑)。
結果的に一人でも食っていける状況になりましたね。
同友会に入るきっかけは?
正直に言えば、「仕事に繋がらないかな?」と思って入りました。極端に仕事が増えることはありませんが、多くの経営者の方々と接し始めたことから、少し考え方が変わって来たなあと感じています。
具体的に何が変わったんですか?
これまでは、カメラマンとして受注した仕事を要望通りに、もしくはそれ以上の結果で返すことを信条として仕事してきましたが、それだけじゃなく、周りと一緒になって「作り上げて行く」ことに興味が湧いてきました。
27歳で新潟に戻り、35歳くらいで上越市にスタジオ兼事務所を借り、そして40歳で自宅兼スタジオを建てることができました。これだけを聞くと年々増益して軌道に乗ってきたって感じですが、ここから先は仕事の進め方を少しずつ変えていかないといけないと思っていたタイミングだったのでとても勉強になっています。
これからの未来展望はありますか?
弟子とは言えませんが、長野県出身の若手が「もっとカメラを勉強したい」と言って手伝いに来ています。こういった後継者や技術を引き継いで行く人たちに照明の当て方ひとつでものすごく被写体が生き生きしたり、表情を変えたりする理由を伝えて行きたいと思います。またそれを知っているからプロフェッショナルなんだと思います。
記録に残る写真、記憶に残る写真、見た人が「おお~!」と思ってもらえるような写真を撮りたいですし、一人で完結するのではなく、そういった魅力のある写真を多くの方と関わり合いながら撮影し、永遠に残されて行くような作品に仕上げて行きたいです。
しゃしんや
代表取締役 : 小林 淳 氏(上越支部)
事業内容 : 写真撮影
住所 : 上越市柿崎区馬正面1059-1
設立 : 2010年
従業員数 : 0名(個人事業主)
TEL:080-4325-4224
HP:http://syashinya.net/
創業者になりたかった父が企業
有限会社MRオートは父 幸夫が1990年に創業しました。曾祖父・祖父とそれぞれ違う事業を営んでいたことや幼少期の経験から独立がしたかったと聞いています。創業当時からリペアカー(事故修復歴車:軽度の事故車を修理・修繕を行った物)の製造・販売を行っていました。
私自身車いじりが好きで、自動車整備の企業に就職。家業のこともあり、「いつかは戻るんだろう」とぼんやり考えながらも7年目、28歳の時に父から急遽「戻らないか」と打診を受け、職場でも徐々に役職がついてきていた私は、「いつか戻ると思っている人間がこれ以上要職についてはこの会社に迷惑をかける。」と考え、退社をすることにします。退社の際は恩返しをしてからと決めていた私でしたが、あまり時間もなく、1年をかけて当時の役職の後継者を育成しました。それでも、私を温かく送り出してくれ、感謝しています。
独立時の父も私もですが、整備業と板金業は畑が違います。時間をかけて仕事を覚えていき、後継者として経営にも少しずつ関わってきました。現在は取締役専務としてなるべく現場に入らないようにしながら、経営に関わっています。
同友会と学びのテーマ
近年、新卒採用に取り掛かろうと企業説明会に出席した時の事、隣のブースの塚原さん(㈱R-CRAFT 代表取締役 燕支部)から、声を掛けられました。話の中で「勉強熱心だと思うから誘うんだけど、同友会ってところがあってね」と誘われたのが最初でした。その後何度かお話をして、ゲストとして例会に参加し、知り合いの先輩経営者もいたこともあり入会しました。
私は所属しているいくつかの団体に、それぞれ自分の中で学ぶテーマを決めています。私が同友会で学ぶテーマは「会社のベースをしっかりさせること」です。私が所属している団体の中では、同友会が一番いい会社つくりに繋がると感じています。
入会時に一番惹かれたのが、共育求人委員会の合同入社式・社員研修でした。新卒採用を行い、自社の基盤をしっかりしていきたいと考えている私にとって、外部の研修や複数社での入社式は理想的な機会でした。ビジネスマナーも大切ですが、それ以上に違う組織で働く同世代と交流をすることが、いつか新入社員に役立ってくれると考えています。
また、私は現在第6期経営指針成文化と実践の会を受講しています。「数字に強くなりたい」と思い参加しましたが、受講してすぐに自身と自社について深く考えさせられ、グサッと来る言葉もたくさん言われ感情的になる部分もありました。しかし、「よく考えるとそうなんだよな」と腑に落ち、「今の考え方じゃいずれ人が離れてしまう」と気付くことができました。まだ指針は成文化の途中ですが、もう少しかけてより良いものにしていきたいです。
新卒採用と課題、自社の未来と夢
私が新卒採用を始めた理由は、会社の組織づくりにありました。整備や板金業は、技術職人が施工にあたります。それぞれに知識があって、背中を見て独学で学んできた技術があります。これが、会社や個人によってやり方が違うため、Aの工程に会社の中でも複数の対応が行われることになります。良いことももちろんありますが、私はできるだけ会社の中でそれぞれの工程に個人ではなく、会社としての回答で対応できるようにしていきたいと思っています。これから規模拡大を考えると、増員と社内の技術教育は避けて通れない道です。新人育成をする上でも、カリキュラム化を行い(これも課題の一つですが)会社のスタイルを確立していきたいと考えています。
リペアカーの販売は、比較的ニッチな市場ですが、今会社では新たにキッチンカーの製作販売を始めており、ノウハウを生かしてここからさらに加工車事業を行っていきたいと考えています。
私の夢は、地元吉田地域の活性化です。具体的には、自社も関わる道の駅をつくり、吉田を通過するのではなく、目的地の1つとなる地域にしていきたいと考えています。そのためにも自社の経営を盤石にしていくことが今のステップだと考えています。
今月は特別編集紙面のため記事掲載はありません。
あけましておめでとうございます。
感動、歓喜に沸いた年末のW杯。ただ一つの頂点に向かい全ての時間を費やした世界各地の選手、そして日本代表選手。その美しい姿は、私たちに勇気を与えてくれました。到達は出来なかったかも知れないけれど、色んな犠牲を払ったのかも知れないけれど、無駄だった時間は一つもなく、全てが尊いものになったんだと感じます。
新潟同友会は2030年、在りたい姿を「NDGs(新潟同友会ゴールズ)」として据えました。これが私たちの新しい景色です。それぞれの人、会社、地域によって描く景色は違いますが、みんな一緒に、それぞれの景色をワクワクしながら追いかけて行きましょう!そして、ブラボーな一年にして行きましょう!
【新潟同友会代表理事 一般社団法人化検討委員長 古川敦義 氏(㈱NODA 代表取締役 三条支部)】
謹んで新春をお祝い申し上げます。
昨年は新潟同友会創立40年記念式典も開催でき、またNDGsの発表と共に2030年のゴールに向けてスタートが出来ました。これも会員の皆様一人ひとりの力の結集と事務局のサポートのおかげと思います。ありがとうございました。
さて、本年は一般社団法人化、会勢600名に向けて力を注いでおります。
コロナ融資返済、戦争、円安、災害などまだまだ課題が山積みな状況の中でも、学び合いをし、良い経営環境をつくり、良い会社になり、一人でも多くの良い経営者になる仲間を増やしていくことが、新潟を良くしていくことに繋がると思います。
中小企業が地域になくてはならない存在になるため、同友会の会員企業一社一社が、その地域にとって存在感のある企業にならなければと思い、2023年も共に学び、成長していきましょう。
【新潟県中小企業家同友会 代表理事 関原英里子 氏(㈲京美容室 代表取締役 上越支部)】
11月14日(月)から18日(金)にかけて、新潟同友会創立40周年記念 中小企業経営フォーラムWEEK2022 「想いをつなぎ、未来をかたちに We work together as one.」を開催しました。5日間を通じて、4つの分科会と記念式典・記念講演を行い、合わせて430名以上の方にご参加いただきました。今号では、新潟同友会の1つの節目となったフォーラムの実行委員長、各分科会・記念講演の座長の皆様からの感想を掲載いたします。
実行委員長 ㈱吉田工業 代表取締役
新潟同友会副代表理事
吉田 智 氏(燕支部)
記念講演から「人生を過ごす価値のある会社」この言葉は深く考えさせられました。我々は良い会社づくりでまさにこの部分が肝になるのではないでしょうか。川中さんからはそういった想いと取り組みを学びました。
改めまして今回の周年フォーラムweekにご参加いただきました皆さま、お疲れ様でした。ありがとうございました‼
ひと言ではまとめられない学びがこの1週間に詰まっていました。我々ができることで、やらなきゃいけないことはまだまだたっっっっっくさんあることに気づきました!
働き方ではなく「働きがい」のある会社が新潟に増えて行けば、この街はもっともっと良くなって、未来も見えます‼これからも新潟の良い経営環境目指して良い経営者やって行きましょう‼ありがとうございました!
~多くの気付きと経営指針実践で未来を創る~
報告者 有希化学㈱ 取締役会長 本間 雅樹氏 新潟支部
第1分科会 座長
社労士事務所 コモンズ 代表
障がい福祉研究部会長
内山 雅視 氏(新潟支部 サウス地区)
フォーラムWEEKの初日ということもあり、当初は不安も大きかったのですが、広報情報化委員会の皆さんのバックアップと、何より会暦30年の本間雅樹さんが報告者という安心感で、当日はめいいっぱい楽しませていただきました。
打ち合わせ、プレ報告といった準備段階で率直に意見を出し合い、懇親会で更に深掘りする、といった過程を経て、設営メンバーの結束も固まり、これこそが設営担当の役得だと思いました。
グループ討論では、仲間づくりについて深掘りしました。「同友会で、多くの仲間の経営体験からの気づきを経営の実践に役立てる。」改めて同友会と経営は不離一体であることを強く感じさせていただきました。
~挑戦で切り拓いたドバイ市場!経営者なら風が無くても凧をあげよ!~
報告者 ㈱HONKI 代表取締役 石川 朋之氏 滋賀同友会
第2分科会 座長
㈲NHS・JAPAN 取締役
相馬 裕和 氏(新潟支部 イースト地区)
今回座長を経験させていただき、多くの学びを得ることが出来ました。報告者の石川さんは元オートバイレーサーという経験がある中で得たチームワークというものが根底にあり、レースで突き詰めた人生の真理と仕事の極意はどの世界でも通用する。「社員との信頼関係はまず自らが変わること」と言葉で言うのは簡単な事ですが、会社の代表として自らを変えるというのは並大抵のことでは無い。そこに気付き、社員との関りを深めていくからこそ組織力の強化に繋がっていると感じました。
物事はすべて因果関係となっており、自分が決めたものだけで未来がつくられる。「風が吹かぬなら自ら先を走って凧を上げろ」という気概にとても大いに刺激を受けました。
~未来に向かって脱皮を繰り返す私と社員のワクワク人生~
報告者 ㈱アウム 代表取締役社長 寺島 槙律奈氏 東京同友会
第3分科会 座長
㈲エムズグラフィック 代表取締役
樋口 由賀利 氏(三条支部)
今回の経営フォーラムWEEKにご尽力いただいた皆様、本当にお疲れさまでした。私も座長として、報告者の寺島槙律奈さんとの打ち合わせやプレ報告を経てとても貴重な経験をすることができました。
毎回思うことではありますが、こうして報告に関わらせていただくお役目を頂くと、とても多くの学びを得ることができます。それぞれの経営観や社員さんへの想い、地域に貢献する使命などが、何度かの話し合いの中からまるで自分ごとのように感じられ、これからの経営への勇気とヒントをもらうことができるからです。
今回も各分科会で素晴らしい報告をいただき、多くの方が感動と学びを得ることができたことと思います。この心の火をますます大きく育て、経営者自身も社員さんも大切な人生を燃やすことができるようにと、改めて胸に刻むことができました。
~地域・連携・行政・本気で関わり行動すれば~
報告者 ㈱八木澤商店 代表取締役社長 河野 通洋氏 岩手同友会
第4分科会 座長
㈱給材 代表取締役 食部会長
宮崎 伸洋 氏(新潟支部)
報告者の岩手同友会気仙支部の㈱八木澤商店 河野社長は、私が同友会の幽霊会員だった頃に出会い、同友会での学びに参加するようになった恩人の一人です。東日本大震災からの復興を報告テーマとして想像していた方も多かったのではと思いますが、実は震災前から陸前高田市の未来についてかなりの危機感を持ち、同友会の学びを通してこの街を元気な街にしたいと言う思い13年前(震災前)から聞いていました。震災により市街地の大部分を失いましたが、震災以前に考えていたビジョンを震災後は更に上書きし常に前を向き失敗しても、すべてを糧として新たなチャレンジから現在の八木澤商店、陸前高田市に大きな影響を与え続けている存在は、私にとってパワーの源のような存在です。
私たちの課題でもある人口流出についての話にはハッとさせられました。人口流出は誰かのせいではない!私たち経営者が地元で働きたいと思える魅力的な会社や地域を作っていないから若者は外に出て行ってしまうんだ。その通りだと思います。今からでも遅くない!気付かされた今から行動を起こす。同友会での学びを実践しなくてはいけないことをあらためて実感できた報告でした。来年は陸前高田市へのツアーを企画し大勢で実践の現地視察をしたいと考えています。
積極果敢な経営で未来に希望の持てる地域をつくる
報告者 ㈱EVENTOS 代表取締役 川中 英章氏 広島同友会
記念講演 座長 ㈱弘新機工 代表取締役
新潟同友会副代表理事
渡辺 修士 氏(新発田支部長)
記念講演の川中さんの報告を聴いて、自社の現状の課題に置き換えてみました。採用難・高い離職率、これらの原因には、給料・休日数・待遇(残業や有給取得率など)・会社の知名度が関係していると思います。
報告には、「働き方改革などに取り組み、働く環境が整っているのはもう当たり前」という話がありました。安定して採用ができて、離職率が低い会社は、働きがい、SDGs、地域貢献・・・ができる環境を作っている。もしくは目指している。
おいおいおいおい!10年遅れてるぞ!今まで採用の場で弘新機工の理念やビジョンを語ったことがあったか?振り返ってもチョットだけ。理念やビジョンで採用しようなんて思ってもなかった。いつも条件。こんないいことがあるんですよ〜。こんなに休みやすいんですよ〜。こんな給料ですよ〜。こんな作業ですよ〜。
あははは!これじゃ誰も来てくれない訳です。理念もビジョンも伝えてないから。『行動こそ真実』今一緒に働いている社員から、もう一度理念、ビジョンを共有します。
さぁ 始めるよ!