広報誌同友にいがた
2023年11月号
新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 11月号 Vol.428
2023年11月号
新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 11月号 Vol.428
■表紙
「できることは何か」を
考え、伝える
【アトリエpour toi】 山田 育永 氏 新潟支部ウエスト地区
■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.041
未来を創る! 新潟の企業家たち
学び続けることが
余裕を生む
山田 育永さん アトリエpour toi 代表
◇委員会・部会活動報告
それぞれのテーマを専門的に学び、問題を解決!
増強委員会/共育求人委員会/下越南支部×食部会
◇新入会員紹介
◇私とお話しませんか?会員交流の館 vol.5
◇ANOTHER REPORT
例会や行事の報告など、
情報共有の場としてフリーテーマで同友会の情報を発信します。
第51回 青年経営者全国交流会 in広島 活動報告
- PEOPLE LIFE data
- 委員会・部会活動
- 新入会員紹介
- 会員交流の館
- ANOTHER REPORT
プルトワと建築の関係
「私の仕事は“暮らし方”を伝えること」と阿賀野にあるアトリエでお話くださった、プルトワ代表で一級建築士の山田育永さん。建築に携わった経験とアドバイザー資格を活かして、これまでのお礼になればと2022年にプルトワとして事業をスタートしました。子供の頃から、部屋の模様替えや間取りを描くのが趣味で、小学生の頃の夢は、建築士になることだったそうです。
建築の道ひとすじの山田さんは、工業高校建築科卒業後から住宅関連の設計を続けていました。リフォームから新築までのプランニングを中心に行う中で、プロデュースの仕事やローンの相談、土地探しなど関わる仕事を何でもこなしてきたそうです。そのころは資格ありきの時代。宅地建物取引士、インテリアプランナーの資格なども取得していきました。
独立までは300棟以上の建物建築に関わる中で、ある時収納たっぷりの設計をした家に数年後に寄せていただいたことがあったそうです。すると片付けることができない状況なほど道具であふれた家になっていました。建築の仕事を始めたころは“つくる”ことばかり考えていましたが、このことをきっかけに、設計することは暮らし方と深くかかわりがあると感じ、住宅収納スペシャリストやキッチンスペシャリストの資格も取得していったとのこと。
現在では、住宅の設計をするかたわら、片づく家づくりの仕組みを組み込めるようにと、一般消費者向けに整理収納のセミナーで講師として活動しています。
同友会での学び
同友会に入会したきっかけは、新潟支部のすみれ建装㈱代表取締役の平川さんの紹介でした。まずは知ることを大切にしている山田さん。入会して気づいたのは、これまでは企業の従業員でしたが、会員の経営者としての意識と人格の高さを感じたそうです。
そしてこれまで「学ぶ」ことを続けてきたご自身と、同友会の「経営を学ぶ」ことが合致したこと。初めての同友会例会での学びは、経営に対して数字を学ぶこと、そして余裕をもって数字をコントロールできるようになることが学びとなったそうです。「ご自身の間取りをプランで考え、お客様に提案する仕事」と方向性が似ていることも同友会で学ぶきっかけとのことです。
これから、そして将来のビジョン
理解ができる人に分かりやすく伝えていくことや、なぜと疑問に思ったことを解決して、こうしたいという理想と暮らしが合致するようにしていきたいとお話くださいました。
現在は「間取りを考えプランニングできる人」として一人一人に寄り添い、向き合っているとのこと。
それはこれまでの仕事が中心で忙しかった時とは違い、家族2人の時間を作ることができるようになってきたこと等の環境の変化も影響しているようです。
暮らし方を伝えていきたいとお話していました。
アトリエPour Toi
代表 : 山田 育永 氏(新潟支部ウエスト地区)
事業内容 : 一級建築士事務所、住宅設計コンサルタント
住所 : 【事務所】新潟市中央区上大川前通4番町 【アトリエ】阿賀野市次郎丸1292-75
TEL : 025-223-3700
創業 : 2021年
いよいよ委員会活動も、下半期突入しました。
これまで、「増強の風土を新潟同友会に根ざす」目的で活動してきました。各支部へ訪問し、委員会を開催したり、所属支部以外の支部例会に参加することで、各地会員との交流が増え、たくさん「知る」事ができました。
各支部で増強について語り、少しずつ皆さんの意識も高まり行動が変わってきた結果で、新潟同友会の会員数は増加しています。中同協の事務局からの報告で、9月に会員数を増加させた同友会は17同友会。その中に新潟も入っていました!会員一人ひとりのパワーが大きな成果となり、実りつつあるこの状況を引き続き継続して、更に会員増強へ繋げていきたいです。
増強委員会の下半期行動計画は、これまで活動してきて分かった課題に向け対策をとっていきます。しっかりと委員会のメンバーと交流し、強い絆を築き、先の見える予定を立てることで参加しやすい環境を整えます。委員会メンバーでない方の仲間も増やしていく予定です!
そして、新支部設立に向け着々と準備も進めています。10月には南魚沼で経営者交流会を開催し、11月の経営フォーラムin上越へと繋げていきます。
定期的に南魚沼での例会を開催していきますので、会員の皆さんの参加よろしくお願いいたします!一緒に新潟同友会を盛り上げていきましょう!!
増強委員会 副委員長 柴澤仁子 記
アウトドア×合宿 コミュニケーション研修を開催 共育求人委員会では、全3回の新入社員研修を開催しています。2023年9月に二回目の研修となる「1泊2日 アウトドア×合宿 コミュニケーション研修」を開催しました。
今回の研修の目的は、「異業種交流による視野拡大、ネットワーク構築、社会人としての意識向上」、「チームビルディング・コミュニケーション能力の向上」、「リーダーシップ能力・創造性の向上」です。具体的な課題は、チームに分かれて“バーベキュー”をテーマにチームをPRする1分間の短い動画を作成するというものでした。
当日の受講生たちは、動画作成の基礎をプロから学び、何を伝えたいのか、だれがターゲットなのか、など動画の構成をメンバー同士しっかり話し合い、課題に打ち込んでいました。この課題ではコミュニケーション能力を高めるとともに、「Tiktok」や「Youtube shorts」など短い動画が主流の現在。ITネイティブな若い人材の力で、一歩進んだPRをができるようになることも目的としています。企業としての広報、情報発信に動画コンテンツは必須の時代です。
新入社員は、あなたの会社を支える大切な宝。同友会の新入社員研修に参加して、社員さんの視野を広げ、新しい価値観や考え方に触れる、“共育”の機会を作りませんか。
共育求人委員会 担当事務局 鈴木健太 記
下越南支部ランチミーティングで話し合われた経営課題・地域課題をきっかけに企画された今回の移動例会in岩手(9/27-28)は、岩手同友会のみなさま全面協力により実現したスペシャルな内容でした。元新潟県議会議員の方や阿賀町副町長、ゲスト経営者含め総勢21名での移動例会。行きの車内での自己紹介では、皆さんの熱い期待がどんどん伝わりました。この例会はどうなるんだろう…。期待と不安も混ざりながら、次から次へと視察が目白押し、圧倒されっぱなしでした。
震災を経て、地域のために何とかしたい。仲間と考える。そして行動する。形にして結果を出す。皆さん温かい人柄で、さらっとお話していただきましたが、形にするまでの十数年間の苦労と苦悩は簡単には想像がつきません。この行程中、河野社長が一緒にバスに乗車し、最後まで同行していただきました。多忙な社長が何故ここまでしてくれるのか?宮崎食部会長が震災前から十数年間岩手の方々と交流し、震災後もいち早く行動に移し、今に至るまでの苦労を共にしてきたからこそ、今回の移動例会が無事完遂したのだと思います。
帰りの車中で皆さんが感想を話す中、感涙される方もいらっしゃいました。岩手の方々の熱意、岩手と新潟との強い絆など、報告で知ることはできても、実際現地に行き接してみないと感じることはできない部分が多くあると痛感しました。今回参加された方々は何か得て持ち帰ったはずです。私もその一人です。今回学んだことを、それぞれ実践していきましょうと、宮崎食部会長、木村下越南支部長が例会を締めました。
河野社長は、「同友会は《手段》だ」と仰います。仲間を作る、相談し助け合う、地域に関わる、様々な職種の人と会う、地域を越えた交流をする、地域と会社と社員と自分の家族のため、その手段が同友会。この移動例会にご尽力いただいた皆様に心から感謝します。そして次の移動例会にまた多くの方々が参加してくれることを願います。ありがとうございました。
下越南支部 副支部長 帆苅章浩 記
柴澤:石塚さん、今日はありがとうございます。どこかの例会でお会いした際に、「もっと話をお聞きしたい方だ」とずっと思っていて、この機会を設けさせていただきました。早速ですが、以前、もともと農機具屋さんから今に至ったとお聞きしましたが、そこからなぜ海外に進出しようと思ったのですか?
石塚:2011年の震災直後に取引先のメーカーさんの社長がお見えになり、色々と話をしているうちに「来月中国に行くんだけど、一緒にどうですか?」と誘われて、いつか自分たちの独自の商品を販売できたらと思っていたので、是非って。初対面だったんですけど(笑)。それから2年くらい、毎月その社長と一緒に中国に行ってました。
柴澤:初対面の人と中国って、躊躇することはありませんでしたか?
石塚:全くなかった。人柄がよくて、気さくで、なんというか楽しい方だったんです。一時期は家族よりも一緒にいました。
柴澤:原動力は何だったんでしょうか?
石塚:もともとその会社を経由して商品を仕入れていましたが、品質が悪い商品もあった時に文句が言えず、こちらがリスクを負わざるを得ない部分がありました。ただ、国内の「農機具屋」というポジションには絶対に戻りたくなかったんです。結果、PLOW(プラウ)のブランドを立ち上げることができました。英語で「耕す」という意味があり、高額商品が多いので「プライス ロー」も掛けています。
柴澤:メーカーの商品を扱いながらプライベートブランドに進出していらっしゃいますが、摩擦みたいなものはありましたか?
石塚:当時は摩擦だらけでした。2000年頃からインターネットで販売しました。まだうちしかやってなかったと思います。そこで芝刈り機のリコールが発生してしまうんですが、対象の機械を全国に売っちゃってるわけですよ。それでも、顧客管理も当時からしっかりしていたので、メーカーに一切頼らずにいち早く完結しました。お客様をきちんと守っているということと、うちの強みのメンテナンス力も好印象だったようで次第にやりやすくなっていきました。
柴澤:過去色々な殻を破ってきたと思いますが、それができなくて苦しんでいる人たちもいます。背中を押せる言葉などはありますか?
石塚:ハードルは高いだろうなと思うんですが、準備しすぎないことだと思います。想定も大事です。でも、やったことがないものを考えても答えは出ないし、「とりあえず思ったらやっちゃえ」でいいと思うんです。ただ、あまりお金を投資しすぎない範囲で。まずはできる範囲のことでスタートしないことには、いずれにしても始まりませんから。商品そのものの価値で売ることがどんどん難しくなっていて、差別化も難しい時代です。だからこそ、「誰から買うか」が重要になってくると思っています。一番大切なのは“利益を出し続ける”こと。利益を出し続けるから社員を幸せにできたり、お客様を守れたりと繋がっていきます。人口減少に伴って数が売れなくなります。すると利益を出すためには値段を高くする必要があります。だから、モノの値段はどんどん上げざるを得ない。そして、逆に抑え込んで頑張ろうとする企業は淘汰されてしまうと僕は考えています。だって、それで疲弊するのは社員だもん。数字は絶対不変なので、しっかりやっていくことが経営者の務めだと思います。それもあり、一人の粗利をしっかり社員に伝えています。社員にとって、見えないことが不安だと思います。この会社にいて、自分が将来どうなるんだろうとか。それをできるだけトップが示してあげることで、社員も自分事としてとらえてくれるんだと思います。
柴澤:本当にそう思います。時代も物も変化していくけれど、変わらないものもありますよね。最初は直感的な方なんだと思っていましたが、先を見据えて計画的な方だということと、動けば出会いがあって、チャンスがあって、幅が広がっていくということを教えていただけたと思います。今日はたくさん教えていただきありがとうございました!
【対談者】 スズキトラスト新潟株式会社 代表取締役 柴澤仁子(下越南支部)
9月14・15日(木・金)に第51回青年経営者全国交流会in広島が開催されました。
新潟からは20名が参加し、全体では過去最多となる2500名が参加しました。
新潟から同分科会へ参加した3名の感想を紹介します。
(株)共律 代表取締役 本間 敦 氏(新潟支部ウエスト地区)
私が参加した第4分科会は同友会の提唱する「経営者の全人格的成長」という辞書にもWikipediaにも載っていない少し難しいテーマが議題でした。
報告者の長野同友会 田野口氏による自分だけから仲間の幸せと成長を考えるに至った実践報告を基に18のグループに分かれて討論を行いました。
私自身、今回の青全交は昨年の神戸に引き続き2回目の参加となりましたが、初日の分科会への参加は今回が初めての経験でした。
全国から集まった経営者の方々との討論は非常に刺激的で、約140分にもわたるグループ討論の時間もあっという間に過ぎていきました。
討論発表では各グループより様々な意見が出てきました。
これ!という革新的な答えの導きは無かったかもしれませんが「自分らしさ」の溢れた意見の数々に、答えを探すこの時間こそが全人格的成長だなと実感するひと時となりました。
また来年も参加したいと強く思えるとても充実した機会となりました。
(株)インプレッシヴ 代表取締役社長 佐藤 潤一 氏(新潟支部セントラル地区)
私も同じく第4分科会に参加しました。報告者の田野口氏の「“全人格的成長”という言葉の正解は分からないが、社員、お客様、取引先、地域、同友会など、出会った全ての人たちのおかげで、自分の器が少しずつ広がった。(心が成長できた)」という話にとても共感しました。
私も「人との出会が縁となり、縁を深めて絆になる」を大切にしています。経営者の役割の1つに、社員への“縁と絆の場づくり”と考えており、私が経営する上でのやりがいです。田野口氏の報告でも「仲間の輪を広げることが自分のやりたいこと」と話されていて、同じ想いの経営者の存在に勇気を頂きました。
今回の青全交で出会えた人たちの縁を大切にして、経営者としても人としても成長していきます。
(一社)新潟県中小企業家同友会 事務局 刑部 綾人 氏
第51回青年経営者全国交流会in広島は私にとって初の全国行事でした。
1日目の分科会はグループ討論時間の長さが印象的でした。県外の経営者の方々と2時間近く語り合う機会はなかなか得られるものではなく、非常に新鮮でした。そのグループ討論を通じて、自身の考えを言語化して簡潔に他人に伝えることが、学びを自分の内に適切な形で落とし込む重要な行為であることを実感しました。また、異なった価値観や人生の背景を持つ方々と同じ机に座り、本音で意見を交わすからこそ有意義な学び合いになるという同友会活動の根幹を成す部分も体感できました。多くの気づき・学びを与えていただいた充実した2日間でした。