新潟県中小企業家同友会
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2024年11月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 11月号 Vol.439

2024年11月号

新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 11月号 Vol.439

■表紙
140年続く
和菓子屋の新時代
【株式会社百花園 代表取締役】
太田 新太郎 氏 新潟支部ウエスト地区

■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.052
未来を創る! 新潟の企業家たち

過去を生かし、
技術と文化を繋ぐための経営
太田 新太郎さん 株式会社百花園 代表取締役

◇支部・委員会・部会活動報告
それぞれのテーマを専門的に学び、問題を解決!

新潟支部/長岡支部/共育求人委員会/女性部会

◇新入会員紹介

◇私とお話しませんか?会員交流の館 vol.16

◇ANOTHER REPORT
例会や行事の報告など、
情報共有の場としてフリーテーマで同友会の情報を発信します。

第52回青年経営者全国交流会 in宮崎
参加者レポート

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  • PEOPLE LIFE data
  • 委員会・部会活動
  • 新入会員紹介
  • 会員交流の館
  • ANOTHER REPORT

 

私と百花園

明治3年、東京で菓子職人をしていた創業者の太田新太郎は、当時人口が全国有数だった新潟に移り住み、和菓子の製法を教えていました。明治15年、現在の本店の場所に百花園を創業します。実子はいなかったようで、弟子を養子に迎え、2代目太田新太郎を襲名。同じように養子として3代目(“新太郎”は継がず)となることになったのが私の祖父で、その後父が4代目となり、2024年8月より5代目として私が代表に就任しました。
本店を中心にいくつかの店舗を展開し、時代と共にスーパーや百貨店などへの出店も行ってきました。現在は、古町の本店と新潟駅構内の計2店舗となっており、その他冠婚葬祭の贈り物や、東京の百貨店等への出品を行っています。
初代・2代と続く「太田新太郎」ですが、私の名前が新太郎になったのは偶然のようで、「太郎」と名付けたかったが「太田」との噛み合いが悪いと感じていた父が、叔母から「なら初代にちなんで新をつければいい」と決まったそうです。父も私も、後を継がせる・継ぐ気もなく育ち、大学も関東の経済系の学科へ進学します。手先が器用な弟がおり、彼が継ぐとばかり思っていましたが、一応確認を取ると「継ぐ気はない」。であれば、特にやりたいこともないし…と後継ぎになることを決心しました。卒業後、情報を集め東京の和菓子店、洋菓子店で計6年間働き、1年間フランス修行ののち2012年に㈱百花園に入社します。職人の世界なので、非常に厳しい環境でしたが、今となってはいい経験でした。

 

 

同友会で得た学び

私が同友会へ入会したのは2015年の事。入会してすぐは、「経営者の会なんて、みんな成功した経営者ばかりで、そんな人が高みを目指す場所なんだろうな」と考えていました。様々な経営者の方が自身の悩みや課題、これまでの苦労を話す姿を見て、「苦労しているのは自分だけじゃないんだ」と知ることができました。その後、食部会の設立もあり、近い業種の方としか話し合えない悩みにアドバイスをもらったり、実際に食材の仕入れに繋がったりと、直接ビジネスに繋がることもあり感謝しています。また、コロナ禍では補助金関係で手続きが大変で、同友会事務局に相談をして、税理士会員さんを紹介してもらうこともあり、入会していてよかったなと感じています。

 

百花園を残し続けるために

私が入社してから、少しずつ百花園に変化を加えてきました。父とは言い争うこともありましたが、可能な範囲で変化を受け入れてくれ、私の目指す「これからの百花園」と、お客様に受け入れていただいてきた「百花園らしさ」をそれぞれ大切にしながら進めてきました。
その一つが既存の商品を減らし、百花園でしか買えない商品を増やすことです。和菓子は基本的な製法が変わらないので、通常の商品では味の差別化は難しく、スーパーの商品には価格で敵いません。そのため、“THE和菓子”ではないかもしれませんが、ピーナッツのバターカステラや、生キャラメル羊羹等、百花園の魅力を表現しながら新たな商品に挑戦してきました。将来的には、店舗に並ぶ商品は練り切りなどの伝統的で文化的な和菓子を除き、百花園でしか購入できないお菓子に変えていきたいと思っています。
この業界は、【技術力は高いのに出来上がる品物が安い】という致命的な弱みがあります。どら焼き1つとっても、100円200円では利益的に本来は割に合わない商品です。この部分を、付加価値のある商品を販売することで単価を上げたい。そしてそれを賃金に還元したいと考えています。
昔から「低賃金でも労働時間がきつくても、技術が身につけばいい」という業界ですが、今の時代に合うはずもなく、いつでも人手不足です。専門学校の講師をしても、学生たちは和菓子から遠ざかってしまいます。そういう世代に興味を持ってもらえる企業にしていきたいです。

 

株式会社百花園
代表取締役 : 太田 新太郎 氏(新潟支部ウエスト地区)
事業内容 : 菓子製造販売
住所 : 新潟市中央区営所通1-321
TEL : 025-222-4055
https://o-hyakkaen.com
創業 : 1882年
従業員数 : 19名

新潟支部では、他団体の方から報告していただいたり共育求人委員会とのコラボや障がい者雇用について専門家をお招きし会員の実体験を元にパネルディスカッションしたりと、今期、長井支部長が「パラダイムシフト シーズン2」と題し、通常例会とは違うアプローチで毎月の例会を開催しております。
例会開催も支部を4地区に分け各地区長を筆頭に年間2回各地区にて設営しているので例会設営に関わる方が増えてきて主体者が多くなってきております。
例会以外にも小グループ活動として、どうゆうナレッジという専門的なセミナーを開催しております。いまさら聞けない決算書の見方、企業型DCって?選ばれる採用企業とは?など興味深いセミナーを行っております。同時にランチをしながらざっくばらんに意見を出し合えるなじらンチも開催しております。
また、今期から金融関連に特化したセミナー、マネーの道もスタートいたしました。第1回は同友会と包括連携協定を結んでいる大光銀行の稲田様をお招きして“事業承継”“M&A”を金融機関としてサポートしている具体的な取り組み事例をご紹介頂いたり、脱・どんぶり経営と題し税理事務所を経営している㈱新潟総合経営の内山氏を講師に約3回にわたりセミナーを予定しております。
今年はフォーラム設営を新潟支部が担当させていただくので、㈱Creative.LAB中村実行委員長を筆頭に新潟支部が盛り上がっております。
他支部、委員会、部会とも連携し来月に向け着々と準備を整えていますので、皆様ぜひご参加ください。

新潟支部 幹事長 小池 茂範(小池機工㈱ 代表取締役) 記

 

今年度の長岡支部活動は、NDGs「連携の創出」、「環境経営の実践」、「住みよい地域を作る」を重点課題とし活動を行ってまいりました。
5月は訪問例会として、会員企業の㈱横山銅鉄店を訪問。取締役の横山直子さんより環境経営の実践や今後の取り組み方などをご報告頂きました。
6月も引き続き訪問例会を開催。会員企業の緑水工業㈱・緑水コンポストセンターを見学しながら、行政との関わりから個人・企業との関わりを通しての環境にやさしい製品づくりなどを勉強してまいりました。
7月例会では、県議会議員の深見太郎氏をお招きしての県政報告会。深見議員個人の想いをお聞かせいただき、新潟県・長岡市を考えるにあたり大変貴重な機会となりました。
8月は長岡・上越・柏崎支部合同例会も兼ねての第5回経営者交流会in南魚沼に参加しました。報告者は㈱大和環境の代表取締役 青木満昭さん。とてもパワフルでエネルギッシュな「熱さ」を感じられる報告で、私を含め参加された皆さんがそれぞれにアイディアとパワーを頂けた交流会となりました。
9月の例会は晩夏納涼会と題し、会員の秋山氏より普段は聞けない!?プチ報告を頂き、とても新鮮な例会となりました。
今後も企業経営の参考になり、参加したくなるような活動に努めてまいります。他支部の方からも参加いただけるような例会活動にしたいとも思っておりますので、今後とも長岡支部にご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

長岡支部 支部長 高橋 徳久(㈱高橋モータース 代表取締役) 記

 

共育求人委員会では、「社員と経営者が共に学び、共に成長する」ことを目的としています。2024年7月12日(金)には、「新入社員まなび・ふれあいバスツアー研修」を開催しました。この研修では、同友会会員企業への訪問、コミュニケーション研修、グループ討論を通じて、他社の同年代の社員や経営者と交流する機会を設けました。
経営者は、同友会などを通じて他の経営者との関わりから多くの学びの機会を得ていますが、社員は他社の同年代の社員や、他社の経営者と接する機会が少ないのではないでしょうか。社員の成長にとっても、こうした交流の中で「人間力」を高めることが重要です。共育求人委員会では、こうした学びの機会をさらに増やしていきたいと考えています。
今後の活動としては、リーダー・中堅社員向けの研修や、地域の学生たちに地元の中小企業を知ってもらい、その魅力を伝えるために、地元の高校や大学との連携を進めていきます。
同友会での学びを活かし、採用活動を通じて外部から自社の評価を受け、若者から選ばれる会社、そして地域から信頼される企業へと成長していきましょう。

共育求人委員長 佐藤 潤一(㈱インプレッシヴ 代表取締役社長 新潟支部セントラル地区) 記

 

女性部会は年間計画に沿って月例活動をしており、8月は木村由美氏(㈱西武商会 代表取締役副社長 新潟支部セントラル地区)を報告者にミニ例会を開催しました。
報告概要は、
①どんな経営にも通じる共通点 ②経営者に必要な4つのポイント ③論語と算盤 ④正範語録 ⑤原点回帰の同友会
大変素晴らしい内容で参加者全員の心に響きました。経営者として⾧年築いてきたノウハウや経験談を惜しみなく伝えてくださいました。そして木村さん経営の「けなり」さんでランチ。店名「けなり」は春一番に咲く花の名前で花言葉は「希望」。経営理念は「希望の糧」とのことです。美味しい料理でパワーをたくさんいただき「希望の糧」となりました。ランチのあとは新しくなった「新潟駅ビル」見学ツアーへ。会員で出店されている創業142年の老舗「百花園」CoCoLo新潟駅店さんへ訪問。美しい和菓子を購入しました。大変有意義な企業訪問会となりました。
女性部会では男性女性などのジェンダーや多種多様の業種を越えての交流機会としております。どなたでも参加できますので皆様のご参加をお待ちしております。

女性部会 広報プラスチーム 山田 育永(アトリエPour Toi 代表 新潟支部セントラル地区) 記

Q.関原さんは2005年入会、水澤さんは2022年の入会ですが、水澤さんの入会したきっかけは何でしょうか?

水澤:えーと、お願いされて半強制的にというか(笑)。

関原:純子先生には入ってください!って感じで入会してもらいました。将来的な事業承継を具体的に進めていて、その後継者候補として、同友会でいろんな経験をしてほしいと思い、息子の省吾と共にペア会員になってもらいました。異業種との繋がりとか、経営者目線の勉強とか、美容室の外の経営の話も知ってもらいたいです。

Q.離職率が高いと聞く美容業界ですが、水澤さんは入社何年目ですか?また、後継者候補とのことですが、会社への想いを教えてください。

水澤:私は入社して25年ほどになります。入社の後に代表が同友会の経営指針(第15期経営指針を創る会)を受講していて…とても苦労しながら作っていて、そこから会社がどんどん良くなっていくのを実感しながら働いてきました。本当は、入社してしばらくしたら一度違う職種に就くつもりでいました。独立しないの?と言われることも多々ありました。そんな中で、社内では代表が「母のような存在」というか、色んな相談に乗ってくれ、何かあれば「やってみればいい」と男前に決断してくれて、「これやってみよう」と難しいことも言ってきたり(笑)。やりたいことや、次の可能性を示してくれる会社です。後継の話についても悩みましたが、代表の「業種問わず、他の企業と変わらない、いい会社にしたい」「みんなを幸せにしたい」という想いと実践してきてくれた会社を残していきたい、という想いです。

関原:純子先生に限らず、5年で90%が退職する業界で、ありがたいことに京美容室の離職率は5%以下です。その分、平均年齢もどんどん上がっていくので、頑張っていかないと!現在、パート・アルバイトを含めて全体で19名の体制ですが、シフト制のお休みや、産休育休を前提としての人員になっています。技術的に勉強中でも、できる分野で現場に立ってもらうことで、モチベーションをもって臨んでもらっていると思います。

Q.最後に同友会について、現代表としてペア会員に期待すること、ペア会員として感じていることを教えてください。

水澤:以前他の会員さんから「無理しすぎず、自分の学びたいことを学んでいけばいい」と教えていただきました。経営者でない私がお邪魔ではないかな、と思う部分もありましたが、私としては独特な美容業界の外の会社の皆様が、どんな想いで経営を実践しているのか、どう学び、どんな意見を持っているのか。経営者の目線に立って、学んでいきたいと思います。

関原:亡くなった牧野さん(アイエムタクシー㈱ 前代表取締役)も同友会で「学び方を学ぶ」とよく教えてくれました。企業は時代に合わせて変化をしていく必要があります。今は私が代表で、“関原”の色が強い会社だけど、【社員ファースト】以外の部分は、継承者の“守らなければ”という考え方ではなく、創業者として二人で事業と向き合ってほしいと考えています。

【インタビュアー】 しゃしんや(事業内容:写真撮影)
小林 淳 氏(上越支部)

 

9月19・20に宮崎で開催された第52回青年経営者全国交流会。会場とオンラインに約2000名の経営者が参加しました。
新潟からは、分科会報告者・コーディネーターをはじめ30名が参加。その中から3名の方にいただいた感想を紹介します。

 
分科会座長を経験して

小池機工㈱ CONNECT FOLK クリエイティブディレクター 渡邊 栄貴 氏(新潟支部ウエスト地区)
青年経営者全国交流会in宮崎の第7分科会の座長として、報告者である藤島さんと宮崎の室長と共に、半年ほどかけ設営をさせていただきました。テーマは『人を生かす経営の実践』。労使見解をもとに「人が生きる」とはどういう事なのか?経営者に必要な自己変革とは?を深掘り。藤島さんの実践を通して、どう会社が変わっていったのかを理解し、伝わるように言語化するという事が、改めて大きな学びでした。
今回の青全交では、全国の「広さ」を感じると同時に、抱えている経営課題の共通点から全国の「近さ」も感じました。私にとって広くて近い全国大会は、日本の経済を支え、そして地方の未来を担う活力ある中小企業を目指そうと、奮い立たせられる場所となりました。

 
初めてのオンラインでの全国大会参加

㈱アクティブプラン 総務部長 渋川 絵美 氏(三条支部)
私は第19分科会「あかいし文庫」の特別例会にオンラインで参加し、報告者の加藤さん(エイベックス㈱代表取締役会長 愛知)・梅田さん(㈲ウメイチ 代表取締役 岐阜)のお話を聞いて今まで常識とされていたことを180度変えた発想を伺うことができました。社員との面談や飲み会の場は必ずしも必要ではない・バイトの従業員にも理念を共有している・社員を会社が選ぶのではなく選んでもらう立場である・給料を年齢で固定化・退職金制度を選択制に等々新しい発想に驚き、経営者として率先して自主・民主・連帯の精神を実践されていると感じました。そして、枠組に囚われず柔軟な発想で対応するという事は今の時代に合った考え方だと思います。
この討論で多くの学びを得る事ができました。次回は是非リアルで参加し、他の分科会にも参加してみたいと思いました。

 
グループ長研修・前夜祭、万全の準備で臨む青全交

㈱エフピーエム 専務取締役 知野 学 氏(三条支部)
初めての同友会全国大会となる宮崎青全交に参加してきました。事前に青年部会のチームオリエンテーションの皆さんから「グループ討論が最も学びになり、それを生かすためにもオンラインで開催されるグループ長研修に参加した方が良い」とアドバイスをいただき、準備万端で宮崎に乗り込みました。アドバイス通り、研修のおかげで討論で出た意見を自分なりに整理しながら参加することができ、いつも以上に理解が深まる充実した時間となりました。私は社員の自主性の発揮をテーマとする分科会に参加し、報告から討論まで事例を多く共有することができ5時間の分科会があっという間でした。その中でも会社の10年ビジョンのように社員個人のビジョンも目標シートに記載し、それと照らし合わせながら個別面談する事例はとても参考となり弊社でも採用することにしています。
2000人近く参加している分科会の同卓に、前夜に吉田智さんと藤田広貴さんと共に杯を酌み交わしていた香川同友会の亀山さんがいるという奇跡も、緊張せずにグループ討論を楽しめた理由の1つでした。智さん、広貴さんありがとうございました。またこのような機会があればぜひ参加したい思います。

 

     

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また、会員企業の社員の方や会員でない方も参加できる行事があります。

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