広報誌同友にいがた
2024年7月号
新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 7月号 Vol.435
2024年7月号
新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 7月号 Vol.435
■表紙
時代の変化を
地域と共に生きる
【株式会社大和環境 代表取締役】
青木 満昭 氏 柏崎支部
■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.048
未来を創る! 新潟の企業家たち
絶対に必要な仕事というプライド
青木 満昭さん 株式会社大和環境 代表取締役
◇支部・委員会・部会活動報告
それぞれのテーマを専門的に学び、問題を解決!
新潟支部/上越支部/共育求人委員会/政策委員会
◇一般社団法人新潟県中小企業家同友会 会歴表彰特集!
◇私とお話しませんか?会員交流の館 vol.12
◇ANOTHER REPORT
例会や行事の報告など、
情報共有の場としてフリーテーマで同友会の情報を発信します。
(一社)新潟県中小企業家同友会×社団法人台北市国際工商経営研究者(台北IMC)
包括連携に関する協定を締結
- PEOPLE LIFE data
- 委員会・部会活動
- 会歴表彰特集
- 会員交流の館
- ANOTHER REPORT
業態の変化
㈱大和環境は現在30期を迎え、中越エリアを中心に一般廃棄物・産業廃棄物処理等を行っている会社です。もともとは個人で建設業を営んでいた父が、知り合いから不燃物処理場を引き継ぐ形でスタートしました。当時は、魚沼市から委託を受ける形で7町村から粗大ごみの集まる処理場に社員を派遣し、残る社員で可燃ごみの回収を行っていました。事業としては順調に来ていましたが、2000年頃、いわゆる建設不況が続いていた建設業界からの参入が増え始めました。魚沼市の委託による受注となっていた当社。実は、7町村のうち、自社のある大和町は当時南魚沼郡でそれ以外の6町村は北魚沼郡となっていました。「北魚沼の処理場の委託をなぜ南魚沼の会社に」と施設に苦情が集まり、処理場は委託から直営に戻すこととなり、仕事の大部分がなくなってしまいました。
そこから、2年をかけて自社独自で産業廃棄物の回収・処分の許可を取得。平成16年から現在の業務形態となりました。この仕事は地域住民の同意を得なければいけないため、資格や施設、環境アセスメントへの対応以上に、住民への説明会など大変なことがたくさんありました。
私と大和環境
自社ではプラスチック廃棄物の回収も行っています。プラスチックは細かく分けると20種以上に分かれており、それぞれ効率的な処理方法があり、処理したプラスチックを海外へ輸出販売を行っていました。このプラスチックの処理、販売に魅力を感じた私は、「もっとプラスチックのことを学びたい」と会社を離れ千葉の企業に3年間就職していました。ところが、中国への輸出が規制されたことにより業績は悪化。再び大和環境に戻り「もう一度地域を見直そう」と父から代表権を承継しました。他社に勤めた3年間は、私にとって大きな経験でした。理念を見直し、社内の環境を改善し続け、SNSやHPの発信を進めてきました。
人口が減少していく地域ではありますが、人が生きていく上で需要がなくなる業界ではありません。ただ、最近実感し始めたことが「ゴミも減っていく」ということ。回収したごみを適切に処理し、お客様からの委託料で利益にしている弊社ですが、最近はフリマアプリの登場により、少しでも価値のあるものは事前に売ってしまい、自分ではどうしようもないものだけ業者にお願いする、というケースが増えてきました。
時代の変化に合わせて、色々と変化が必要なんだと感じ、今後は、より“リユース”の部分を強化していきたいと考えています。
大和環境と魚沼地域の未来
私達は、生活を“トータルサポート”する会社です。家庭から出るゴミもそうですが、遺品整理や引っ越しによる家屋の解体等、生活に関わる自分自身ではどうにもできない部分のサポートを続けていきたいと考えています。将来的に、現在の仕事だけではなく、「地域の便利屋」として、ハウスクリーニングや買い物代行など、地域の高齢化等の背景に合わせ、必要とされ続ける会社であり続けたいです。
この業界は、【絶対に必要な仕事】です。しかし、「俺がやる!」と手を挙げる人が少ない業界です。私たちは、この仕事にプライドを持ち続けます。
弊社のトレードマークである「いととんぼ」は水・空気のきれいな環境にしか生息できない昆虫です。『魚沼では常に「いととんぼ」が飛び交う環境を守るために』の企業理念の下、暮らしが快適になるよう努めてまいります。
★第5回経営者交流会in南魚沼(8/7)で青木さんが報告されます。ぜひご参加ください!
株式会社大和環境
代表取締役 : 青木 満昭 氏(柏崎支部)
事業内容 : 廃棄物処理、遺品整理、不要品整理
住所 : 南魚沼市黒土新田450番地6
TEL : 025-779-4633
https://yamatokankyou.com/
創業 : 1995年
従業員数 : 16名
皆さん!経営楽しんでいますか?新潟支部の2024年度のテーマは「パラダイムシフト ~皆さん、経営を、そして人生を楽しんでいますか?~」です。このコロナ明け、未来の見通しが難しく変化の激しい時代の中、まずは私たち経営者自身がパラダイムの転換を図り、こういう時代だからこそ前向きにチャレンジし経営を楽しみながら皆で前に進んで行きたい。そんな想いを込め今年度のテーマとして掲げさせていただきました。方針としては、学校、金融、行政等の会外の団体や組織との繋がり連携の創出。最先端の学びとして、DX、GX、AIの活用やこれからの会社組織等の学び、また経営指針書作成とその実践の重要性を伝えられる例会を企画し、会員皆様のパラダイムシフトにつながるような例会、セミナー、小グループ活動を展開していきます。また、今年度は11月の新潟県フォーラムを新潟支部が担当させていただくことになりました。この機会を活用し主体的参画者を増やしながら、同友会運動と会社経営、地域課題解決が繋がっていることを少しでも実感してもらえるようにしていきます。皆様にはぜひ新潟支部の例会、小グループ活動に積極的にご参加いただき、さらには会社を良くしたい!地域を良くしたい!と想っている経営者仲間をどんどん誘ってきてください!みんなで経営を、人生を、もっともっと楽しんで行きましょう!
新潟支部長 長井裕三(㈱テクノナガイソラーレ 代表取締役 新潟支部)記
上越支部長の上越トーヨー住器㈱ 代表取締役 鷲澤雅皇です。
上越支部は現在45名の会員がおり、今期で50名会員を目指しております。隔月で通常例会(報告者からのグループ討論)とWAIGAYA例会(テーマを決めて皆で討論会)を交互に開催し、例会に気軽に参加できる環境を作りを心掛け昨年度から取り入れています。もちろん熱い懇親会付きは言うまでもありません♪
また今年度は地域貢献と中小企業家同友会を知ってもらう為に、会としても6月にマゼランペンギンフェスタに参加。10月にはキッズアカデミー参加予定、11月には、県の経営フォーラムにも負けない、“上越支部主催の経営フォーラムin上越”を別途実施を検討しております。
学びだけでなく絆を深め、更には仲間を増やすために7月納涼宴会・9月第二会上越支部コンペ・12月望年会を予定しております♪
上越支部は「学びだけでなく共に行動して成長し成功する!結果を出す!」ということに今年度は注力しております!!
そんな元気のある上越支部の各例会にぜひご参加ください!リアル参加を心よりお待ちしております♪
上越支部長 鷲澤雅皇(上越トーヨー住器㈱ 代表取締役 上越支部)記
共育求人委員会では「社員と経営者が共に学び共に育つ」ことを目的としています。今年度も4月10日に合同入社式&新入社員研修を開催しました。研修後のアンケートで、新入社員の皆さんからは「経営者はすごいと思いました」「利益を出すことの難しさを知りました」、経営者の皆さんからは「新入社員の成長を感じられた」「経営の大変さを実感し経営者へのリスペクトを持ってくれただけでも大きな成果」と感想を頂きました。「社員と経営者が共に学び共に育つ」ことを実感した合同入社式と新入社員研修でした。社員と経営者が一緒に参加し共に学び合うことが同友会の研修の大きな特徴ですね。合同入社式や新入社員研修は、どなたでも参加可能です。新入社員研修は9月頃、2月頃にも開催予定ですので、興味を持たれましたら是非ご参加ください。
今後の活動として、地域の学生たちに地元の中小企業を知ってもらい、中小企業で働くことの魅力を伝えられるよう、地元の高校や大学と連携していきます。
同友会で学び、採用活動を通して自社を外部評価してもらい、より若者から選ばれる、地域にあてにされる会社へと成長していきましょう!!
共育求人委員 会長 佐藤潤一(㈱インプレッシヴ 代表取締役社長 新潟支部)記
5月29日~31日にかけて「社団法人台北市国際工商経営研究社(台北IMC)」の方々が来県し「包括連携協力に関する協定」を締結しました。
政策委員会としては今期活動方針に掲げた「海外の視点を得る」また新潟同友会のスローガンである「Go to the next Stage」への取組に最高な機会と具体的な活動のスタートになったと感じています。新潟視察では会員企業視察や情報交換、懇親会を通して信頼関係を築くことができたと思います。今後は台湾企業視察などを通して具体的なビジネス交流までの進展を目指していきたいと思います。年度内に台湾での交流会も企画予定ですのでその際は是非ご参加をお願いします。世界に目を向けることで自社事業の可能性を考えてみることが私たちの「次のステージ」づくりに繋がると感じています。
そして景況調査を6月にスタートしました。例年の景況調査より早い時期ですが、私たち企業家の現状を年数回調査し行政や議会(議員)メディア等へ発信することで新潟の中小企業の現状、課題を調査し最新のデータ収集により各機関との情報交換であてにされる新潟同友会の位置づけにもチャレンジしていきます。
政策委員長 宮崎伸洋(㈱給材 代表取締役 新潟支部)記
私が同友会に入会したのは、当時勤めていた保険代理店の社長から、「他県の同業者から同友会という団体を紹介されたので、入会してみたらどうか。」と言われ、新潟同友会の事務局に連絡をして入会しました。会社は新潟市でしたので新潟支部も選択できましたが、住まいが新津なので、せっかくだから知り合いのいないエリアにと、阿賀支部(現下越南支部)に入りました。
初めて参加した例会では、自身の経営に対し包み隠さず話す報告者に「ここまで話すのか」と驚きました。入会した阿賀支部は、みんながあたたかく仲間を受け入れてくれる雰囲気で、これも長く会員を続けられた要因だと思います。例会では、自身の知らない業界や職人さんの想い等、多くの学びがあり新鮮でした。
2008年に経営指針を創る会を受講しました。この時は社員として受講していて、受講動機は“厳しく自身を客観視してもらい、ここでの経験で自身を高めたい”という理由でした。そんな中で、自分自身を見つめ直し、私なりの指針をつくりました。そうしてみると、自身と会社の考え方には合わない部分があるなと感じ、相談をさせてもらい2010年に独立し、現在は7名の会社となっています。
同友会では広報情報化委員会や政策委員会、経営労働委員会と支部以外の色々な方ともたくさん関わらせていただきました。2016年からは、5年間下越南支部の支部長もさせていただきました。まず、私を支部長に選任して任せてくれたことにとても感謝しています。支部長としては正直なところ自分の会社より大きな組織を引っ張るリーダーシップを持ち切れず、自身の足りないところに気づく部分が多くありましたが、支部の皆さんのサポートのおかげで務めることができました。自身の課題に気づくこともでき、非常にいい経験でした。
近年、業界として企業の体制の整備に金融庁からメスが入り、経営について自分自身に迷いが生まれました。そこで、自身二度目となる指針を受講。経営指針成文化と実践の会を受講し、当時社員として作成した指針を見直しました。そこで、自身に個人事業主の考え方がすごく残っていたことに気が付きました。受講前は社員をなんとか組織化しようという気持ちが強かったのが、サポーターの皆さんからの質問や指摘を受けながら自分自身の意識を変えることで、バラバラだった社員がまとまってきていると感じています。
私にとって同友会は、たくさんの尊敬できる経営者との交流ができ、学びあい、自身の成長に欠かせない存在です。今自社の課題は、“後継者の育成”と“人を生かす経営の実践”。異業種と比べると少し特殊な労働環境のため、どのように進めていくのがいいのか、模索しながら、まだまだ学んでよりよい実践をしていきたいと考えています。
島田:今日はありがとうございます。対談のお話しをもらって、今一緒に仕事の話を進めさせていただいている武者さんとお話しがしたくて、伺いました。早速ですが、武者さんが現在に至るまでのことを簡単に教えてください。
武者:就職はメジャーなアパレル希望だったんですが、就職氷河期の中で採用はかなわず、新潟本社で全国展開の呉服店で6年間働きました。全国に転勤もある会社だったのと呉服業界であったことから、ゆくゆくは実家を継ぐつもりで勤務していました。母にいわれて実家に帰ってきたら、着物屋だったのに洋服屋さん(ヤママツ武者衣料品店)に代わっていて、着物については小物しか売れず着物の顧客がいないという状況で業務をしていました。しかし、このままではだめだとヤママツ武者呉服店に屋号も変更して業態を変更していきました。しかし呉服用品は売ることが出来ても肝心の着物は売れない状況が続きました。
島田:同友会との出会いは?
武者:5年目くらいに入会しました。ちょうど事業について悩んでいた時に経営指針成文化と実践の会を受けたことがきっかけになって色々とふっ切れまして、やることがはっきりしたおかげで売上が伸びています。9月から受講を開始して第3講の11月に、母の実家でもあった親戚の店舗を引き継ぐ形で新発田店をオープンすることも出来ました。
(インタビュー中にお客様の来店があり一時中断)
島田:今のお客様はお直しですか?
武者:新規のお直しのお客様でした。新発田店は新規のお客様がほとんどで、今のお客様も口コミでご来店いただいたそうです。新規の着物販売もしているのですが、在庫を置かずにお客様の要望を形にする形で生地から探して販売する形態をとっています。ほかに新発田市社会福祉協議会と協力して、買取した着物のリフォームをする取り組みを始めています。やってみると色々な発見もあり楽しいです。
島田:話を戻して、指針受講中に覚醒していった感じですか?
武者:そうですね、自分がなぜ着物屋をやっているのかといったことを考えていく中で覚醒していった感じです。一代目から続くお客様が持っているものを生かしたり足していったりお直ししたりといった顧客との関係を大切にするスタイルをしっかり意識して仕事をしていく中で、新しい商品の販売も伸びています。会社の方向性は確立しつつあるのですが、営業をしていないので伸び悩んでいます。そのあたりを協業していきたいので、島田さんの会社とも一緒に窓口になっていただけるサロンを探して、夏振袖を前面に出したレンタル事業を展開していきたいですね。
島田:顧客を大切にしていくことで自然と売り上げが伸びていっているんですね。喜んでいただける事業だと思いますのでぜひ協力させていただきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。最後に、実はわたしも今期の経営指針成文化と実践の会を受講することになったのですが、何かアドバイスはありますか?
武者:たくさん悶々とすることです(笑)。私は最初一人で考え込んで色々と作っていったんですが、周りの人たちに相談することで経験や歴史を知ることで考えがまとまったところもありました。サポーターの意見も含め、いろいろな方の意見を聞いて、悶々と考えることが大切ですね。
【対談者】 (株)フォークス
代表取締役社長 島田 多一郎(新潟支部ウエスト地区)
5月29~31日にかけて社団法人台北市国際工商経営研究社(台北IMC)の方々が来県し包括連携協力に関する協定を締結しました。IMCは、工商経営の研究と人材の育成を目的として、1903年にアメリカで設立。台北IMCは、1961年に設立し、経営や経済に関するテーマを取り上げた月例会の開催、海外視察などを行っています。
きっかけは、2023年6月の新潟同友会会員有志の台湾企業視察でした。予定では、2023年度中に新潟視察が予定されていましたが一旦延期。今年度に入り急遽、5月29~31日、台北IMCの方々の新潟視察が決定しました。
世界への“日本海側の玄関口”新潟の可能性。今年度のスローガンである「Go to the Next Stage」。また、政策委員会の方針に掲げた「海外の視点を得る」。この機会を、新潟同友会、そして、会員企業のみなさまにとってのチャンスにと、2024年度第1回理事会での審議・承認を受け、2024年5月30日(木)、新潟同友会と台北IMCとの包括連携協定を締結いたしましたことを、会員のみなさまへご報告いたします。
新潟視察期間中には、会員企業視察、交流懇親会などが開催され、「次は台北での再会を!」と、台北IMCのみなさまを新潟空港で見送りました。世界に向けた視点で、自社事業を考えてみませんか?それぞれの「次のステージ」へ。共に!