広報誌同友にいがた
2024年9月号
新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 9月号 Vol.437
2024年9月号
新潟県中小企業家同友会
広報誌 DO YOU KNOW?にいがた 9月号 Vol.437
■表紙
「昭和の教育」の大切さ
【㈱Kanaiya. 代表取締役】
金井 佐也子 氏 三条支部
■Contents
◇PEOPLE LIFE data No.050
未来を創る! 新潟の企業家たち
「本物の技術者を育てたい」
金井 佐也子さん (株)Kanaiya. 代表取締役
◇支部・委員会・部会活動報告
それぞれのテーマを専門的に学び、問題を解決!
燕支部/新発田支部/経営労働委員会/ソーシャルビジネス部会
◇新入会員紹介
◇私とお話しませんか?会員交流の館 vol.14
◇ANOTHER REPORT
例会や行事の報告など、
情報共有の場としてフリーテーマで同友会の情報を発信します。
食部会 in 燕市「飛燕夏祭り」参加レポート
- PEOPLE LIFE data
- 委員会・部会活動
- 新入会員紹介
- 会員交流の館
- ANOTHER REPORT
㈱Kanaiya.と私の美容室経営
㈱Kanaiya.は三条市内で美容室を二店舗経営しており、今年の7月で22周年を迎える事ができました。中途採用はしておらず、新卒採用をして一から美容師として育てていくスタンスで22年間経営してきました。
私自身、カットのインストラクターとして全国の美容師さんを教えていた経験もあり、「見て覚えろ!」と育った昭和の教育のような「技術を見て盗み、学べる教育」を大切にし、教育カリキュラムをしっかり設定して、学校のような会社づくりを目指して頑張っております。
昨今の美容業界の傾向として、大型店だと他業種の社長さん達が出資をし、サロンの箱だけを作り、カットができるスタイリストさんを他社から引き抜き、サロン内独立をさせて場所代だけを支払うシステムがブームになっています。技術や接客を一から指導し、時間とお金をかけて育ててきたスタッフさんを引き抜かれるオーナーさんの想いを考えると切ない気持ちになります。しかし、独立が最終目的となっているこの業界では、夢のようなシステムなので、そういった会社に行ってしまう若い美容師さん達の気持ちもよくわかります。小さな美容室だと、アシスタントは取らず、オーナーさん1人でやっている美容室が7割を超えているのが現状です。
悩みと経営指針
私の会社のような経営体制だと、この先、会社としてやっていくのは難しいかもなと悩む毎日でした。しかし、昨今の美容業界のやり方では、スタイリストになるまでの教育をしてくれる会社が極端に少なくなってきており、美容学校卒業生や、通信教育で学んでいる学生が就職できる美容室がなくなってしまう現実も出てきています。若い子達は、自分で東京にセミナーに行ったり、YouTubeで技術を見たりして学んでいる子が多く、人で実践してない状態でお客様に入っている美容師さんが沢山溢れている、という現状にインストラクターとして全国を回り教える中で気づきました。
昭和の教育体制の会社の有り難さを肌で感じ、私の会社の教育体制は残さないとだめなんじゃないかとモヤモヤする日々を送っている中、一昨年、第6期経営指針成文化と実践の会を受講しました。
受講している半年間、沢山のサポーターの方とお話しする中で、会社を大きく発展させていくには、経営者はプレイヤーでいるより経営に専念した方が会社や社員さんの為になるんだろうなと感じる事が沢山ありました。しかし、悩みに悩んだ結果、改めて私はプレイヤーとして日々技術を高めながら、スタッフを育てて行く事を決断しました。
理由は、ずっと感謝している修行させていただいた美容室の女社長も、カットのインストラクターとして育てていただいた関西の巨匠も現場に立ち続けていることでした。
現場を離れる事で、手仕事の感覚的なもの、そして時代的な流行りを肌感覚で感じられていない人が、人を教育していけるのか?師匠は私によく話してくれました。
美容業界は教育産業と言われており、技術者1人育てるのには時間が凄くかかります。技術的にそこそこで、集客に広告料金を多額にかけて来店してもらうスタイルの大型店が沢山ある中、口コミだけでお客様が来店する本物の技術者を育てる事の方が自分のやりたかった事だなと経営指針づくりを通して改めて再認識する事ができました。
描く未来
結局私自身、指針を通して何かを凄く変える事は出来なかったような気がしますが、自分がやりたい事を再度考えるいい時間を頂く事ができました。コンプライアンスが叫ばれる昨今、昭和的な経営、教育方針をとっていく怖さはありますが、今の時代の良さと昭和の厳しさをうまく融合させながら、平成、令和の未来ある若者達を育てていきたいと思っております。
「技術をスタッフに正しく伝えること」は、私自身が大切にしたい事。その環境が周りになくなっても、貫いていきたいと思っています。いつか、小さくても本物の技術を教えられるカットアカデミーを出す事を夢見て頑張りたいです。
(株)Kanaiya.
代表取締役 : 金井 佐也子 氏(三条支部)
事業内容 : 美容室経営
住所 : 三条市一ノ門2丁目5-32
TEL : 0256-34-7760
創業 : 2002年
従業員数 : 5名
燕支部の支部長、澁木です。同友会が他の団体と違う所は「経営者同士が社員と会社の為になる事を本気で話し合える仲間が出来る」点です。普通経営者は孤独と言いますよね。自社の悩みなんか社員にも誰にも言えないと思います。同友会の理念のひとつに、「良い会社を目指す、良い経営者を目指す、良い経営環境を目指す」があります。社員が幸せになるにはどうしたらいいだろう?経営者が実務的にも人間的にも成長し、会社を良い方向に導けるようになるにはどうすればいいだろう?社員がのびのびと主体的に働ける社風にどうしたらなれるだろう?「良い会社にしたい。社長も社員も共に幸せに仕事をしたい。」そう悩む経営者にとっては最適の会です。
誰もが幸せになるために働いています。一日のうち大半を仕事で過ごします。その時間が幸福でなければ幸せな人生でいられる訳がない。その時間は誰でもな無い、社長にしか創れません。完全には難しいかもしれない。でも共に悩み、言い難い事を本音で語り合い、少しでも幸せな会社を目指そう。そう言ってくれる友が出来る会だと確信しています。少なくとも燕支部はそうです。入会した多くの人が経営課題で悩んでいた、二代目で承継してどうしたらいいか分からなかった…などでした。課題がある経営者ほどメリットがあると思います。
例会と言って自社の経験を報告してそこから学びを得て、小グループで語り合う活動をしています。不安に思う方は例会にお試しでゲスト参加も大歓迎です。
ピン!と来たら参加してね!
燕支部長 澁木 恒利(㈱創明工芸 代表取締役社長 燕支部)記
今回から年一回の下越ブロック例会を新発田・村上・下越南の三支部からプロジェクトメンバーを募り、三支部で連携しながら、特別感を感じる例会を開催することとなりました。毎年支部の役割を変えながら、テーマは三支部支部長ミーティングで決める。そんな新しい初合同例会を新発田の地で開催しました。
テーマは『同友会理念の総合実践で企業変革を』です。宮城同友会 代表理事・中同協経営労働委員会副委員長をされている東洋産業㈱代表取締役の玄地学さんから報告いただきました。内容は企業変革技援プログラムver.2を実際に使い、現状認識を社員と共有し問題を見つけ、それを課題に変え改善でとどまらず、変革まで成し遂げる。その導入をお伝えいただきました。
自社としては、ペア会員の平田さん(工場長)にも参加してもらい、彼の現状認識も共有することができました。彼からは、「同じグループ討論のテーブルに同年代の方もいらしたが、考えていることのレベルが違いました。自分はまだ社員の発想しかできていません」と素直な感想をもらいました。ぜんぜんオッケーです。一緒に成長していきましょう! ぜひ皆様の会社も社員と共に参加しましょう!
新発田支部長 渡辺 修士(㈱弘新機工 代表取締役 新発田支部)記
同友会の会歴が長い人ほど「指針がー、シシンガー、受講しろー、ジュコーシロー」と熱く、時にウザいくらい発信されている場面、みなさんも目にしたこと、実際にお誘いされたことがあるかと思います。指針っていったい何でしょう?
同友会で言うところの経営指針とは、①経営理念②10年ビジョン③経営方針④経営計画の4つから成り立つ「経営指針書」をベースとした経営手法です。社長の頭の中の全部を一度テーブルの上に並べ、考え、自問自答すると同時に社員とも一緒になって指針書を作成していく、その過程も相まって完成後は指針書を中心に全社一丸となり会社を進めていく。社長が会社を引っ張り続けるのではなく、経営理念が核となり原動力となって全社で成長していく事が理想とされています。しかしながら言うは易く行うは難し、現実は既受講生も紆余曲折・悪戦苦闘の毎日です。ですが口を揃えて「受講して良かった」と感想をもらいます。
そんな学びの場「第8期経営指針成文化と実践の会」に今年は18名もの受講生を迎えることができました。物価高騰で経営が成り立たずどうしていいかわからない、今まで以上さらにもっと会社を良くするために勉強したい、自分が今までやってきたことを大勢の前で確認し自信が欲しい、受講理由は様々あるかと思います。業種業態・事業規模・役職・年齢・性別、多種多様なメンバーで受講生とサポーターが主体的に共に学び合う半年間、委員会メンバー全員で今期も精一杯設営に尽力して参ります。
経営労働委員長 諸橋 晋太郎(㈲新潟ワークステーション 代表取締役 新潟支部)記
『ソーシャルビジネス部会』と名称を変更して、2年目が始まりました。名称変更だけが要因とは思いませんが、新規会員も多く、部会長として非常に嬉しく思っております。今年度の活動として、去る6月17日に気楽なかたちでの顔合わせ座談会を実施しました。予想を大きく上回る20名近い方が参加してくださり、ざっくばらん且つ、アツいトークが繰り広げられました。懇親会も行い、顔合わせとしても関係性の強化としても、とてもいい機会となったと感じております。当たり前のことですが、「楽しかった~」で終わっては何の意味もないので、この関係性の上に成り立つ事業をつくって、企業の経済活動と社会課題や地域課題の解決を両立させてこそのソーシャルビジネス部会であり、中小企業家だと思っています。今年度はそういった事例もぜひ作っていきたいと思います。
また、来たる11月20日には中小企業経営フォーラムが開催予定となっておりますが、そこでの1つの分科会をソーシャルビジネス部会が担当します。日本だけでなく世界も注目している新時代の地域づくり事業の実践報告をしてもらう予定ですのでそちらも併せて、今年度もソーシャルな視点でご注目ください。
ソーシャルビジネス部会長 小林 俊介(㈱With You 代表取締役社長 柏崎支部)記
武者:以前、新潟支部の例会に参加したときに、井田さんと名刺交換をさせてもらって、同じ衣類を扱う会社さんで気になっていたので、今回お邪魔しました。
井田:私もその時が初めましてだったと思いますが、実は私もお話ししたかったんです(笑)。そのあとに、武者さんが報告される例会に申し込んでいたんですが、参加が遅れてしまってお話を聞けなかったんです。
武者:そうだったんですね!今日お話しできてよかったです。井田さんはもともと服屋さんに勤めていたんですか?
井田:もともとは飲食店向けの食品卸の仕事をしていました。2年前に、スーツの量販店に勤めていて、会社を辞めて独立することに。その時に、友人と3人で新潟市東区に店舗を立ち上げたのがきっかけです。
武者:現在のカメダジマストアNiigataに移ってきたのはどういう経緯ですか?
井田:3人で店舗経営を行っていましたが、時間が経つにつれ方向性に違いがあることがわかるようになり、それぞれが独立しました。そこから色々な人と出会いがあって、良い縁に恵まれこのカメダジマストアNiigataに関わらせていただくこととなり2023年10月にオープンしました。この店舗を経営しているというよりも、この中に出店させてもらっている感じです。普段は訪問なども行って、オーダースーツを提供しています。
武者:同友会にはどうして?
井田:独立したものの経営のことが全然わからず、他の団体で「同友会ってところがいいんじゃない?」と紹介されて入会しました。入会後に同友会のビジョンNDGsの「かっこいい(ステキな)経営者になる」というキーワードに感銘を受けたんです。内面的な話ではあると思いますが、私は外見的にかっこいい経営者になってほしいと常々思っています。あまりスーツに興味のない方もいらっしゃいますが、かっこいいスーツを着て表舞台に立ってほしいです。
武者:着物にも通じるところがあると思いますが、スーツは生地の産地や特徴など、井田さんのスーツ作りのこだわりはありますか?
井田:スーツの生地は、大きくイギリスベースとイタリアベースで分かれます。イギリスはマットな感じで、イタリアは艶感があって、イケイケな感じです。私のお客さんはイタリア製生地の方が人気で、光沢感があっておしゃれな感じを好んでいただいていますね。私は、そのお客様が一番かっこよくなるスーツを作りたいと思っています。裾の長さや幅を体に合わせて、ベストなものを着ていただきたいです。私としては、ジャケットの裏地を派手に、おしゃれにすることに対応できるように動いています。今後やりたいのは、愛犬の写真や推しキャラクターを裏地に入れた、オーダーメイドならではのスーツを作りたいです。
武者:事業としての課題や展望はありますか?
井田:社員さんを雇いたいです。4月の定時総会で、グループ討論の時に「2年間で社員を雇います。」と宣言してしまったので(笑)。また、今はまだそういう段階でないんですが、小さくても、店舗でスーツ専門店を出したいと思っています。
武者:私も経営指針成文化と実践の会を受講して、その時に社員さんを雇うことを掲げました。
井田:経営指針成文化と実践の会も興味があって、次年度受講したいと思っています。経営者としてまだまだ未熟で、経営をきちんと勉強していかないとと感じています。
武者:話は変わりますが、実はスーツの生地で着物を作っていいかなと思ったり(笑)。リメイク等もしていきたいと思いますが、ウールとか虫食いとかしますか?
井田:虫食いはありますね(笑)。ぜひコラボしましょう!
武者:お話しできてよかったです!ありがとうございました。
【対談者】 ヤママツ武者呉服店
店長 武者 将由(村上支部)
7月21日(日)燕市商工会議所主催の夏祭り「飛燕夏祭り」が燕市交通公園エリアと、燕市商店街エリアで開催されました。飛燕夏祭りの実行委員会に参加していた、燕支部本多貴之さん(ミノル製作所㈱)から、同友会食部会へイベントの食品ブース出店の打診をいただき、部会で協議し、参加させていただきました。
当日は、食部会の一番の醍醐味である企業間連携を行いたいと、全会員向けに食品ブース出店に関する案内をe.doyuから発信させていただき、食部会有志として飯塚農園・㈱叶味家・㈱給材・㈱酒のかどや・㈱塚田牛乳・つるまる・㈱百花園による合同ブースを設置しました。飯塚農園のアスパラガスと㈱叶味家の茶豆、つるまるから越乃黄金豚等を使用した、夏野菜たっぷりの塩焼きそば。㈱叶味家・㈱給材・㈱百花園合同のずんだかき氷等、ここでしか食べられないコラボ商品や、各社一押しのグルメを販売しました。㈱酒のかどやさんからはビールや瓶コーラの他、子どもたちが栓を開けると拍手喝采の世界一楽しいラムネを販売。地域のお祭りならではの、子どもから大人まで多くのお客様にご利用いただき、日本一おいしい品々にご満足いただけたと思っています。
同友会メンバーにもたくさん足を運んでいただき、飛び入りで接客のお手伝いもいただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
地域のイベントへの出店は、食部会史上初めての試みとなりましたが、設営や準備、当日のことまで、反省点もありつつも、出店に関わったメンバーそれぞれが得るものが大きかったと感じています。サイコーでした!!今後も、地域のイベントや、食部会の「連携」を通じて、各社に必要な「実践」を行っていきたいと思います。
新潟肉と海鮮・50種の地酒つるまる 代表 鶴田雄介(新潟支部ウエスト地区・食部会長)記